◆ソフトバンク12―0楽天(22日、京セラドーム大阪)

 プロ野球界での言い伝えに「大量得点で勝った翌日は打てない」がある。得点差が開いて、余裕の出た打者陣のスイングが大きくなり、その〝影響〟が翌日に出てしまうといわれるからだ。しかし、今のソフトバンクは、そんな迷信すら吹き飛ばす勢いだ。23安打21得点の大勝から一夜明け、大阪へ場所を移しての楽天戦も2試合連続の2ケタ得点、12―0の快勝での6連勝に「見事に予想が外れました」と小久保監督も満足げだった。

 主砲山川穂高は、1回に11号先制3ラン、2回にも2打席連続の12号2ランと5打点の荒稼ぎ。5番近藤健介も2本の二塁打で2打点、開幕直後の不振で一時は打率1割を切った6番栗原陵矢も5試合連続安打で、打率も2割8分6厘まで上昇。つながりの途切れない打線で、チームの総得点195、同本塁打31はいずれもパ・リーグトップ。チーム防御率1点台の投手陣との歯車が見事なまでにかみ合い、2位日本ハムにも6ゲーム差をつけ、首位を悠々と独走中だ。

 特筆すべきは、今季41試合目で29勝となり、このペースを143試合のシーズンで換算してみると101勝。プロ野球記録は前身の南海が55年(昭和30年)にマークした99勝で、前人未到の〝シーズン100勝〟も期待できる歴史的ハイペースだ。

 残り102試合で71勝ならその未踏の大台に到達するが、これを勝率に換算すれば6割9分6厘。一方、22日現在の勝率は7割4分4厘。気の早いのは、こちらも承知。小久保監督も「まだ5月22日ですよ?」と一笑に付すが、十分に〝達成可能圏内〟にある。