PRESIDENT Online 掲載

「希望職種に就けない可能性があるが大丈夫か」「自己都合退職とあるが、詳細は」……。転職面接で、こうした質問をされた場合は、どう答えたらいいのか。キャリアカウンセラーの中谷充宏さんは「こうした答えにくい質問は、面接官のねらいを想像しながら冷静に返す必要がある」という――。(第5回/全6回)

※本稿は、中谷充宏『20代〜30代前半のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)の一部を再編集したものです。

■希望職種に就けない可能性がありますが、いかがですか?

【面接官が知りたいのはココ!】
「大丈夫、問題ない」は大前提だからね
「今は叶わなくても将来は叶える」というプランがあるかな?

この質問は職種限定だと絶対にされません。総合職のように複数の職種の可能性がある場合のみと捉えてください。

企業は利益を追求する団体ですから、個人の希望をすべて聞くわけにはいきません。

「希望が通らないなら、入社は辞退します」とわがままを言わず、企業側の意向を受け入れる柔軟性、適応能力があることをPRしなければなりません。

その上で、応募企業の希望職種で働きたい思いをどう伝えるかがポイントです。

「何でも従います」というイエスマンもいらないけれども、今まで散々アピールしてきた希望職種へのこだわりが乏しいのも問題です。

そのため、今は希望通りにならないかもしれないが、入社が叶った場合の希望職種に就くための具体的な取り組みプランを語っておけば、入社意欲と希望職種への思いの両方を感じ取ってもらえるでしょう。

たとえばこういう人の場合

26歳女性、大卒。新卒入社した会社に勤務中。今回は2社目の転職で、同業種・異職種への応募。

NG!

「御社に入社が叶うのなら、希望職種でなくても全然かまいません」

↑希望職種への思いが薄すぎるのは問題です。

OK!

「企業で働く以上、希望通りにならないことがあるのは十分認識しています。
前職でもフィールドエンジニアを希望していましたが、在職中は社内SE業務に従事していて、当初の願いは叶いませんでした。
しかし、社内SEにも私は非常にやりがいを持って業務に臨んでいましたし、希望するフィールドエンジニアとの共通・類似業務もありましたので、満足して働くことができました。
御社から見て、私が活躍できる場所が他にあるということでしたら、まずはお受けし、しっかり結果を出してから、自分の希望実現のために社内公募制度などを活用して次に進めるようにしたいと思います」

↑入社後の希望実現に向けての具体的な取り組みにも触れることで、面接官も当社への入社意欲と希望職種への思いの両方を感じ取ってくれるでしょう。