Arsheeya Bajwa Stephen Nellis

[22日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアが22日発表した第2・四半期(5─7月)の売上高見通しは市場予想を上回った。人工知能(AI)向け半導体の需要拡大を見込む投資家の期待に応える結果となった。1株を10株に分割する計画も明らかにした。

第2・四半期の売上高見通しは280億ドルプラスマイナス2%。LSEGがまとめたアナリスト予想は266億6000万ドルだった。

株価は引け後の時間外取引で5.9%高の1005ドルと、節目の1000ドルを突破。時価総額は約1400億ドル増加した。23日の通常取引をこの水準で終えれば、過去最高値を更新することになる。

今年に入って最高値を更新している米株式市場の新たな押し上げ材料になる可能性もある。

エヌビディアの決算を受け、AI関連半導体を手がけるアドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)やブロードコムの株価も約2%上昇した。

エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はアナリスト会見で、次期AIチップ「ブラックウェル」を今四半期に出荷し、8─10月期には生産が増加すると述べた。

コレット・クレス最高財務責任者(CFO)は、ブラックウェルの需要が来年に入ってもしばらく供給を上回る可能性があるとの見方を示した。

第1・四半期(2─4月)の売上高は前年比262%増の260億4000万ドルと、市場予想の246億5000万ドルを上回った。純利益は628%増の148億8000万ドル。

エドワード・ジョーンズのアナリスト、ローガン・パーク氏は「エヌビディアの画像処理半導体(GPU)に対する需要は引き続き非常に強い」と指摘。「今回の決算はおそらく投資家の期待に応えるのに十分で、AI関連投資がまだ減速していないという安心感を市場に与えるだろう」と述べた。

稼ぎ頭のデータセンター部門は第1・四半期売上高が427%増の226億ドルと、ファクトセットがまとめた予想の213億2000万ドルを上回った。

カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「エヌビディアは大きな期待の中でも再び結果を出した」とし、重要なデータセンターの売上高が好調だったほか、今後の売上高見通しも非常に良い内容だったと評価した。

第2・四半期の調整後粗利益率見通しは75.5%プラスマイナス0.5%。市場予想は75.8%だった。

第1・四半期の調整後粗利益率は78.9%、予想は77%だった。諸項目を除いた1株利益は6.12ドルと、予想の5.59ドルを上回った。

株式分割は6月7日を効力発生日として実施する。分割後の四半期配当を150%引き上げることも発表した。