3日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比206.66ポイント(1.14%)高の18413.79ポイントと9日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も82.96ポイント(1.29%)高の6520.05ポイントと続伸した。売買代金は689億5830万香港ドルとなっている(2日の前場は641億1320万香港ドル)。
 内外環境の改善が投資家心理を上向かせる流れ。米国では再利上げの警戒感が薄れる中、米10年債利回りの低下基調が続いている。中国では政府が打ち出す経済対策で、景気持ち直しが進むと期待される状況だ。ただ、上値は限定的。ハンセン指数はこのところ急ピッチに続伸し、足元では昨年10月12日以来の高値水準を回復しているだけに、売り圧力も高まっている。また、本土市場がメーデー(労働節)による休場が続いている(1〜3日)ことも積極的な売買を手控えさせる一因だ。指数は前引けにかけて上げ幅をやや削っている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国のネット関連が高い。オンラインゲーム大手の網易(9999/HK)が4.5%、Eコマース大手の京東集団(9618/HK)が4.3%、インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が3.6%ずつ上昇した。主力ネット株に買いが先行する中、ハンセン科技(テック)指数は2.1%高と他の指数をアウトパフォームしている。
 中国保険セクターもしっかり。中国平安保険(2318/HK)と中国太平洋保険集団(2601/HK)がそろって2.4%高、中国人寿保険(2628/HK)が2.2%高、中国人民財産保険(2328/HK)が1.6%高で引けた。
 映画やカジノなどレジャー関連の銘柄も物色される。歓喜伝媒集団(1003/HK)が6.9%高、猫眼娯楽(1896/HK)が1.9%高、アイマックス・チャイナHD(1970/HK)が1.7%高、美高梅中国HD(2282/HK)が6.8%高、銀河娯楽集団(27/HK)が2.8%高で前場取引を終えた。連休中の消費増が期待されている。映画興行に関しては、メーデー連休の過去最大を記録する可能性があると予測された。
 他の個別株動向では、外食チェーン大手の大家楽集団(341/HK)が6.6%高と続伸。同社は2日、通期業績の大幅増益見通しを明らかにした。
 半面、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の銘柄群は安い。薬明合聯生物技術(2268/HK)が11.1%、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が5.8%、薬明生物技術(2269/HK)が5.6%、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が5.2%ずつ下落した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)