プロボクシングWBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が初防衛成功から一夜明けた7日、都内で会見し「減量は問題ないので(階級を)上げる考えはない。目の前の試合を勝って、統一戦なりビッグマッチに進みたい」と当面は現級で活動する方針を示した。

 目の周囲の傷を覆うためにサングラスをかけているものの、「前回(世界奪取した)のダラキアン戦より体の痛みが少なく、眠れました。と言っても2時間くらいですが」。同級3位の挑戦者・桑原拓(大橋)を判定3―0(118―110、117―111×2)で退けた。「やってきたことを出せたのは良かった。もうちょっとディフェンスを強化できるかな」と収穫、反省を挙げた。

 21年7月に日本王座2度目の防衛戦で桑原と対戦した際は10回TKOで勝利したものの、9回までのポイントは小差だった。「(日本タイトルマッチで対戦時は初回に)ダウンを取れたのもあり、余裕を持ってしまいポイントで競る展開だった。今回は徹底的に攻めた」。序盤こそ被弾があったものの、ガードを高く保ちながら圧力をかけ続けた。大差の判定勝利に納得の表情だ。

 今回の入場曲とガウンは、今年公開40周年を迎えた映画「グレムリン」に、ちなんだものだった。「自分の趣味、丸出しで。もちろん世代ではないですが、好きな映画です」。毎回、夫婦でプランを出し合うという。SNSなどで好意的な反応が寄せられているようで「楽しみにしているという声も多いので、こちらも気合が入ってます」。次回も試合内容とともに充実させることを誓った。