元近鉄、中日投手の佐野慈紀氏(56)が7日、自身のブログを更新。2日に行った右腕切断の手術後、初めて「切った腕と対面しました」と明かし、現在の心境を打ち明けた。

 56歳の誕生日だった4月30日、感染症により右腕を切断することになったと発表した佐野氏。昨年4月には「重症下肢虚血 緊急の為、右足中指を切断」していたが、その後「心臓弁膜症」も発覚。プロで41勝を挙げた右投手が、利き腕の右腕を切断することを決断し、今月2日に手術が終了した。

 この日は「経過報告」と題するブログで、「皆さんからの温かいたくさんのメッセージに感激と感謝がやみません 本当にありがとうございます」と、応援メッセージへの感謝を投稿。続けて、「今日初めて切った腕と対面しました」と明かした。

 「感想は短くなったなぁですね」と多くは語らず、「痛みもなく順調なようです」と経過を報告。「受け入れようと思いつつもやっぱり観てみぬふり なかなか弱気なハゲオヤジです」と心境を明かした上で、「まだまだ先は長いですが変わらず前を向いて生きますね」と前を向いた。

 ファンへ向け「健康第一」とし、「みんなかがや毛〜!」と茶目っ気たっぷりに呼びかけた。

 佐野氏は90年ドラフト3位で近鉄に入団、近鉄、中日、オリックスで活躍し353試合に登板、41勝31敗27セーブ、防御率3.72。近鉄時代には93年から5年連続40試合以上に登板し、中継ぎ投手として「1億円プレーヤー」となった。この日のブログでも、「引退してからも右腕に注射の針は入れない」と利き腕である右手を大事に過ごしていたことを明かしていた。

 また、佐野氏は薄くなった頭髪を反対に「ピッカリ投法」などと売りにする明るい性格の持ち主。プロ野球OB戦「ドリームマッチ」などでは、同じく頭髪の薄い小田幸平、和田一浩らと帽子を飛ばして乱闘する「ピッカリ劇場」がお約束で、ファンからの人気も抜群だった。