J1新潟は9日、聖籠町のアルビレッジで非公開練習を行い、11日のホーム浦和戦に備えた。左サイドハーフ(SH)で2試合連続先発中のMF長谷川元希(25)は、前節の神戸戦で新潟移籍後初アシストをマーク。得意の右アウトサイドキックを生かし、左サイドから得点に絡んでいく。

 キャンプから準備してきたポジションで輝いた。神戸戦の後半6分。左サイドでボールを受けた長谷川元はタメを作った後、パスを出してスプリント。FW鈴木から再びパスをもらうと、「井手口選手が足を出したのが見えた」とかわして中に進入し、空いたスペースに右アウトサイドでパスを送り、藤原のゴールをアシストした。

 松橋監督は「本来であれば中央でさらに生きる選手」と前置きした上で、左SHでの起用理由について「判断も含めて仕掛けられ、ボールを失わない。サイドから起点になり得るプレーができる」と語る。アシストはその特長が凝縮したプレーだった。

 右アウトサイドのパスもチームに浸透。得点した藤原は「アウトサイドのクロスが来ると思っていた」と、タイミングを見計らってゴール前に飛び込んだ。左サイドからの右足アウトサイドのクロスやパスは相手の意表を突いている。

 「結果が一つ出たのはいいが、試合に勝っていない」。アシストにも長谷川元に納得はしていない。特に前半はチームとして敵陣深くに入ることが少なかっただけに、「前半から、後半の内容をやるべき」と悔しがる。

 チームトップの3アシストのMF高木が負傷したこともあり、今後に懸かる期待は大きい。「与えられたポジションで結果を残すだけ」。静かに闘志を燃やしている。(西巻 賢介)