5月19日(日本時間20日)に行なわれたデンバー・ナゲッツとミネソタ・ティンバーウルブズのウエスタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦。地元ファンの歓声を味方にナゲッツは前半で15点のリードを奪うと、第3クォーター残り10分50秒にジャマール・マレーの3ポイントで58−38と20点のリードを手にした。

 ところが、そこからウルブズの猛反撃を受け、第3クォーター終盤にアンソニー・エドワーズにステップバックスリーを決められて1点差とされると、第4クォーター序盤にルディ・ゴベアのレイアップで逆転を許す。

 その後ナゲッツは同点、1ポゼッション差まで持ち込んだものの、相手の堅守の前にリードを奪い返すことはできず、最終スコア90−98で連覇への道が絶たれた。

 ナゲッツはマレーがシリーズベストの35得点に3アシスト、ニコラ・ヨキッチが34得点、19リバウンド、7アシストと2枚看板が躍動したが、その他の6選手で21得点しか奪えず、相手の堅守の前にフィールドゴール成功率41.0%(34/83)、3ポイント成功率24.2%(8/33)に終わった。

「今夜の僕たちにはチャンスがいくつもあった。それをモノにできなかったんだ。何と言えばいいか、僕らは今夜勝つべきだったと思う。それが一番辛いよ。相手が僕らを倒したけど、僕らにも多くの(勝てる)機会があった。僕自身も含めてね。それがとにかく辛い。来年を楽しみにしているよ」(マレー)
  ロサンゼルス・レイカーズと対戦したファーストラウンドで、マレーは全5試合で20得点以上を奪い、第2戦で決勝ブザービーター、第5戦でもシリーズに決着をつけるフローターを沈めてヒーローとなったが、ウルブズ戦では苦戦を強いられた。

 サイズと機動力を兼備したウルブズのディフェンダーの前にリズムに乗れず、第1、2戦では平均12.5点、フィールドゴール成功率28.1%、3ポイント成功率25.0%と沈黙。第3戦以降は調子を上げ、最終的に平均18.4点、4.1リバウンド、4.4アシスト、1.3スティールをマークしたが、フィールドゴール成功率は40.3%、3ポイント成功率も33.3%にとどまった。

 カンファレンス準決勝で力尽き、連覇の夢は散ったナゲッツ。これによって来季はチャレンジャーの立場となる。

「狩りをする側に戻るんだ。また違ったタイプのキレを持って、何かのために戦う側に戻ることになるね」と口にしたマレーはこう続けた。

「ハンターの時は、(王者の時よりも)もっとたくさんのモチベーションがあるし、みんなが間違っていることを証明してやろうということで支持される。それにコンスタントに怒りの感情を持ってプレーすることができるのさ」

 現在のチームはヨキッチ、マレー、アーロン・ゴードン、マイケル・ポーターJr.、クリスチャン・ブラウン、ペイトン・ワトソン、ジーク・ナジが契約下にいる一方、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープとレジー・ジャクソンがプレーヤーオプション、ジャスティン・ホリデーとディアンドレ・ジョーダンが完全FA(フリーエージェント)になる。来季の王座奪還に向け、オフにどのようなロスターを構築していくかも見ものだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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