現在開催中の男子テニスツアー「ゴネ・ジュネーブ・オープン」(5月19日〜25日/スイス・ジュネーブ/クレーコート/ATP250)に急遽ワイルドカード(WC/主催者推薦)で出場することとなった世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、初戦を前に行なわれた記者会見に登場。タイトル防衛がかかる今季2つ目の四大大会「全仏オープン」(5月26日〜6月9日/フランス・パリ/クレー)の開幕までに「もっと多くの試合をこなす必要がある」と、参戦を決めた理由を説明した。

 今季はここまでツアー優勝どころか決勝進出もないジョコビッチ。22日に37歳の誕生日を迎えたレジェンドは大会連覇を目指す全仏への不安を払拭すべく、ジュネーブOPでの出来が非常に重要になると考えている。会見では次のようにコメントした。

「僕がここに来てプレーすることに決めたのは、現時点では試合以上に良いトレーニングはないからだ。もっと多くの試合でプレーしなければならない。1試合でも多くこなせることを望んでいる。これから僕を待ち受ける試合は自分にとって良いものになるだろう。試合を重ねることがローランギャロス(全仏)への明るい道を見出す僕なりの方法だ」
  先の「イタリア国際」(ATP1000)の初戦勝利後のファンサービス中に観客の水筒が自身の頭部を直撃する不慮の事故に見舞われ、状態が心配されていたジョコビッチだが、現状体調等は特に問題ないという。「1週間ちゃんとトレーニングしてきた」と前置きし、今大会の目標を含めてこう締めくくった。

「気分は良いから、明日の試合でどうなるか見てみたい。四大大会の5セットマッチを戦い切るべく、フィジカル面で必要な耐久力と体力を高める準備に多くの時間を費やしてきた。全仏はクレーというツアーで最もタフなサーフェスでプレーすることになるからね。今の目標はここジュネーブで複数の試合をこなし、その後パリで何が起こるかを見てみることだ」

 今大会に第1シードで出場するジョコビッチは初戦(2回戦)で、かつて「ビッグ4」として競い合ったアンディ・マリー(イギリス/元1位/現75位)と約7年4カ月ぶりに対決する可能性があったが、マリーが敗れたため実現せず。ジョコビッチの相手はヤニック・ハンフマン(ドイツ/同85位)に決まった。全仏に向けて確固たる自信を得られるか、絶対王者の奮闘を期待したい。

文●中村光佑

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