愛する広島弁が炸裂した。

 5月26日、横浜アリーナにてBリーグの年間王者を決める「日本生命B.LEAGUE FINALS 2023-24」の第2戦が行なわれ、広島ドラゴンフライズが琉球ゴールデンキングスに72-63で勝利を収め、星を1勝1敗のタイに戻した。

 初優勝に向け、崖っぷちの広島は勝負をかけてきた。初戦と変わらないスタメンで臨んだ琉球に対し、中村拓人、山崎稜、ケリー・ブラックシアー・ジュニア、ドウェイン・エバンス、河田チリジと、先発2人を入れ替えて必勝を期した。

 これが功を奏し、序盤は広島ペースに。エバンスがオフェンスの起点となり、内外から得点を積み重ねていく。だが連覇を狙う琉球も黙っておらず、今村佳太と岸本隆一のダブル司令塔を中心にパスを散らし、外からの3ポイントなどで逆転。広島は4点のビハインドで前半を折り返す。

 後半はお互い一進一退の攻防が続くが、琉球のチームファウル数が「5」に達したこともあり、広島がフリースローを重ねて徐々に点差を縮めていく。そして、山崎稜が3ポイントを沈め、エバンスが要所で得点を挙げて48-47と逆転。1点差の痺れる展開で最終クォーターに突入する。

 琉球のオフェンスファウルを誘発するなど、主導権を握った広島。再び山崎が外から冷静にゴールを射抜き、一時リードを二桁に乗せるなど有利に試合を進める。最後までリードを保った広島が、歓喜のブザーを聞いた。
  スタメン変更、試合状況を的確に読み解きながら卓越した戦術で勝利を手繰り寄せた広島のカイル・ミリング ヘッドコーチ。試合後のインタビューでは、「タフな戦いだった」と振り返り、「昨日(第1戦)の出だしが良くなかったので、流れを変えようと思った」と話し、スタメン変更の意図を明かした。「選手たちの努力は本当に素晴らしかった。10点差だろうが、15点差だろうが諦めずに最後まで戦うのが、私たちドラゴンフライズの強みだ」と、逆境のなかで勝利を掴んだ選手たちを褒め称えた。

 最後に米国出身の指揮官は、オレンジ色のユニホームを身にまとい、横浜アリーナに駆け付けた大勢のファンに向けて、「広島ドラゴンフライズのファンは素晴らしいです。たくさん元気をもらいました!」と日本語で感謝を述べた。

 加えて、「来てくれてアリガトウ。火曜日に大きいゲームがあります」と言うと、「皆さん、1・2・3 勝ちじゃけぇ!!」と、力強く右拳を天に突き上げるアントニオ猪木のパフォーマンスを披露。すべてが決まる最終戦の来場を呼びかけると、「レッツゴー! アリガトウゴザイマシタ」と丁寧に頭を下げて、会場を後にした。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】「1・2・3 勝ちじゃけぇ!!」ミリング監督が”広島弁”でファイナル必勝宣言!
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