現地時間5月24日(日本時間25日、日付は以下同)、ダラス・マーベリックスはミネソタ・ティンバーウルブズとのウエスタン・カンファレンス決勝第2戦に109−108で勝利。これでシリーズ成績を2勝0敗とした。

 この試合、マブズは最大18点のビハインドを背負うも、後半だけで計31得点を稼ぎ出したルカ・ドンチッチ&カイリー・アービングの強力デュオを中心にじわじわと追い上げ、第4クォーター開始早々に逆転。最後は106−108で迎えた残り4秒、ドンチッチがルディ・ゴベア越しに決勝3ポイントを沈め、激闘に終止符を打った。

 大事なラストプレーでドンチッチがクラッチショットに選んだステップバックスリーは、これまで彼がビッグマン越し、または勝負所で何度も繰り出してきたリーサルウェポン。トップ・オブ・ザ・キー付近でゴベアと1対1の展開になった瞬間を、試合後にドンチッチはこう振り返る。

「スペースがあったから、(2点ビハインドだったけど)スリーを打つことにした。自分の得意とするスポットへ向かってステップバックした。それだけさ」
  こともなげに話したドンチッチだが、リーグ最高級のディフェンシブ・ビッグマンの頭上から、外せば敗北の重要なショットを沈めるのは至難の業のはず。しかしゲーム後に米メディア『TNT』の番組に出演した際には、こうも話していた。

「彼(ゴベア)は長いんだ。でも速くは動けない。僕も速くは動けないけど、彼よりは速いから(笑)」

 フランチャイズ史に残るほど印象的な一発を、淡々と語ったドンチッチ。それもそのはず、第2戦に勝利したからといってシリーズを突破できるわけではない。4つ勝って初めて、リーグ制覇への挑戦権を得られるのだ。

 球団史上初にして唯一となる優勝を果たした2011年以来、2度目のファイナル進出まであと2勝。ドンチッチの目は頂上決戦、そしてその先の栄冠のみをまっすぐに見つめている。

文●秋山裕之(フリーライター)

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