国際バレーボール連盟(FIVB)が主催する『ネーションズリーグ(VNL)』の男子予選ラウンド1週目がブラジル・リオデジャネイロで開催されており、現地25日、日本代表がイタリア代表と対戦。セットカウント1−3(25-23、16-25、17-25、17-25)で今大会初黒星を喫した。

【関連記事】「最もエキサイティング」破竹の勢いで3戦無敗! 世界ランク4位・イタリア戦で全勝を狙う日本に海外メディア熱視線【ネーションズリーグ】 日本は、イタリアでのシーズンを終えて調整が必要な主将・石川祐希と高橋藍を招集せずに、アルゼンチンやセルビア、キューバを次々と倒して3連勝。前回大会で銅メダル争いの末に下したイタリアとの再戦に、セッター深津旭弘、アウトサイドヒッター(OH)大塚達宣と甲斐優斗、オポジット(OP)宮浦健人、ミドルブロッカー(MB)山内晶大とエバデダン・ラリー、リベロの小川智大を先発に起用した。

 今大会でパリ五輪への切符獲得を狙い3戦をストレート勝利で終えたイタリアは、初戦から変わらず世界最高峰と呼ばれる国内リーグの強者を揃えた布陣。司令塔のシモーネ・ジャンネッリとMBロベルト・ルッソは、今季4冠を達成し来季は石川が加入する強豪ペルージャの主力。MBジャンルーカ・ガラッシは高橋とともにモンツァの原動力としてリーグ準優勝を始め、出場4大会全てで決勝進出を果たした。アウトサイドヒッター(OH)アレッサンドロ・ミキエレットとダニエレ・ラヴィアは、石川を擁するミラノに3位決定戦で敗れたものの、チャンピオンズリーグを制した欧州王者。オポジット(OP)ユーリ・ロマノも、1シーズン前のコッパイタリアで優勝したピアチェンツァの中心選手だ。

 第1セットは、世界ランクで1つ上の3位日本を相手にベストメンバーで臨んだ相手に、終始劣勢を強いられる。しかし、深津の好守連発で3点ビハインドを挽回。接戦へ持ち込み、最終局面でリリーフサーバーを任されたOP西田有志が引き出した連続ブレークで逆転して、セット先取に成功した。

 ベンチへ飛び込んでボールをつないだ大塚の奮闘に応えた宮浦の一打で第2セットをスタート。しかし、1セット目に4本を決められた相手のブロックに続けて攻撃を阻まれた後、レセプションでも苦戦して後退し、試合を振り出しへ戻された。第3セットは僅差で追う前半に相手のサーブミス頻発のチャンスを生かせず、後半にギアを上げたイタリアに突き放されて献上。日本は、勝負に王手をかけた相手の勢いに押されたまま大きくリードを許して第4セットも譲り渡し、今大会初黒星に甘んじた。

 敗れたものの、宮浦が全体2位の20得点(アタック17、エース3)を記録して、最多22得点のロマノに迫る活躍を見せた。一方で、チーム全体の被ブロックはキューバ戦(20本)に続き、この試合でも18本(イタリア3本)に上った。
 

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 イタリアのスポーツ紙『Quotidiano Sportivo』のWEB版は、「国際レベルの主要チームの中で飛び抜けたスピードプレーを繰り出す日本との戦いで、毎回、困難に直面するイタリアは今回も第1セットで苦戦した」と報道。また、同国で中継を担当したスポーツジャーナリストのマリア・ピア・ベルトラン氏は、随所で見せたお家芸と称される驚愕の守備に、「現実のものとは思えない。まるでアニメの世界」と仰天しきりだった。

【関連記事】「男子バレー、強すぎる」日本、石川祐希&高橋藍の両エース抜きで東京五輪銅のアルゼンチン撃破! パリ五輪へ向け好発進にファン歓喜「2人がいなくても強い」【ネーションズリーグ】 また、海外大手スポーツメディア『EURO SPORT』の同国版は、今年、アカデミー賞に輝いた日本映画“ゴジラ −1.0”にちなみ、第二次大戦後の日本をさらに後退させた意を示すタイトルを文字って日の丸を背負う対戦相手を表現。個々の選手のクオリティとチーム力を一段とアップさせて石川と高橋の不在を感じさせない今大会の戦いぶりを、“ジャッポーネ 2.0”と銘打って賛美した。

 世界ランク2位へ浮上したイタリア代表のOHミキエレットも、「日本は誰がコートに上がっても良いプレーをする」と同国協会の試合後インタビューでコメント。日本の選手層が厚みを増したことを感じているようだ。また、「厄介な相手。とにかくボールを落とさない。カバーしてプレーを続けサーブも良い。粘られてもナーバスにならないことが重要だった」と戦いを振り返った。

 3勝1敗で初週を終えて同ランク暫定4位の男子日本代表は、日本(福岡/北九州市)が会場の第2週(6月4日〜)から、いよいよ石川と高橋が参戦。同16位イランと初戦の後、パリ行きが決定している同12位ドイツと同1位ポーランドに続き、昨秋の五輪予選で切符獲得を果たした決戦の相手、同7位スロベニアと対戦する(※順位はイタリア戦終了時)。

構成●THE DIGEST編集部

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