ボストン・セルティックスとインディアナ・ペイサーズによるプレーオフのイースタン・カンファレンス・ファイナル第3戦が、現地時間5月25日(日本時間26日、日付は以下同)にゲインブリッジ・フィールドハウスで行なわれた。

 2連敗で地元に戻ったペイサーズは、オールスターガードのタイリース・ハリバートンがハムストリングの肉離れで欠場。そんな苦境において、アンドリュー・ネムハードが32得点、9アシスト、TJ・マッコネルが23得点、9リバウンド、6アシスト、マイルズ・ターナーが22得点、10リバウンド、パスカル・シアカムが22得点、6アシストと奮起する。

 司令塔不在ながら、今年のプレーオフで6戦無敗を誇るホームでの強さは健在。ファンの歓声を味方にペイントエリアの得点で68−40と優位に立ち、第3クォーター中盤に18点のリードを奪った。

 だが、セルティックスもこのまま簡単に白旗をあげるようなチームではない。今季から加入したドリュー・ホリデーは、18点差をつけられた場面をこう振り返る。

「僕らはディフェンス(のレベル)を引き上げなきゃいけなかった。相手がホームでまだ負けていないこと、彼らがホームですごくいいプレーをしていることも知っている。最初の3クォーターについては、確かに彼らのプレーはすごく良かった」
  その後、セルティックスはディフェンス強化を見事に実行。第4クォーター残り2分38秒の時点でも8点を追う展開ではあったが、ジェイレン・ブラウンのショット、ジェイソン・テイタムとアル・ホーフォードの長距離砲で2点差に詰め寄ると、ホリデーが試合の勝敗を決定づける重要なプレーを決めた。

 33歳のベテランは残り38.2秒、シアカムのファウルを誘発し3ポイントプレーを決めて逆転すると、残り3.1秒にはネムハードからボールをスティール。直後に得た2本のフリースローを確実に決め切り、114−111の勝利に大きく貢献した。

「相手選手の動きに対して反応しているだけ。僕らは(ネムハードが)右へのドライブを好んでいることを知っている。そこで僕はスティールを奪ったのさ。僕らはお互いのことを信頼し合っているんだ」(ホリデー)

 最後のディフェンスでホリデーは、ネムハードのドライブに対して体勢を崩しつつもすぐに立て直し、内側の手(左手)を使ってボールを奪取してみせた。

 優勝の味を知るベテランのビッグプレーもあり、シリーズ3勝0敗と圧倒的優位に立ったセルティックス。このまま2年ぶりのNBAファイナルへ駒を進めることができるか。第4戦は27日、敵地ゲインブリッジ・フィールドハウスで行なわれる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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