テレビアニメ「ザ・ファブル」(毎週土曜深夜0:55-1:25、日本テレビ系/ディズニープラスで全話見放題独占配信)の第5話「聞いとんのかコラ!!」が5月4日に放送・配信され、物語を新たな展開に導くニューキャラクター・小島が終盤に登場。小島を演じる津田健次郎の登場に、SNSでは待望していたファンの歓声があふれた。(以下、ネタバレがあります)

■「ザ・ファブル」とは

同作は、岡田准一主演で実写映画化されて話題を博した南勝久による同名人気コミックをアニメ化したもので、殺しの英才教育を施された“殺しの天才”・通称「ファブル」(CV:興津和幸)が、ボス(CV:小村哲生)から「1年間誰も殺してはならない」という指令を受け、“佐藤明”として人殺しをしない暮らしを送る姿を描く。

第5話では、佐藤明と名乗って大阪で暮らし始めたファブルが、“プロとして”普通に暮らすために新たな仕事を探し始める。なかなか決まらない中、出勤途中の岬(CV:花澤香菜)と出会い、彼女の仕事先であるデザイン会社を紹介される。社長の田高田(CV:大西健晴)から時給800円という破格の低条件を出されるが、金に興味はなく一般常識に疎い明は快諾して採用となる。一方、真黒組では、若頭・海老原(CV:大塚明夫)の弟分・小島(CV:津田)が刑務所から出所してくる。

明がヒロインである岬と同じ会社に勤めることになり、今後、人間的な部分での変化があるのか、それともないのか、とワクワクさせてくれる展開で終わった第5話だったが、一方で不穏な空気をまとうキャラクターの小島が登場し、波乱の展開が始まる予感も…。

というのも、小島は15年の服役をへて真黒組に復帰した海老原の弟分で、極めて凶暴な性格の持ち主の上、15年前から時間が止まっている、いわゆる“ザ・ヤクザ”なキャラクターだからだ。原作ファンはもちろんご存知だろうが、小島は、やわでこそこそ稼いでいる今の真黒組に居心地の悪さや窮屈さを感じて落ち着かず、組内の均衡をかき回そうとする異質な存在として暗躍し始めるという物語のキーマンでもある。

■“イケボの雄”がコテコテのヤクザに

そんなキーマンを津田が演じるというのは既に発表されていたが、公式のコメントでも「個性の強い原作の中の、個性の強い役を演じさせて頂けるという事で、まだ収録が始まっていない今からどういう風に演じようかワクワクしています」とのコメントを寄せるのみで、“イケボの雄”である津田がコテコテのヤクザである小島をどう演じるのかという期待がファンの間で高まっていた。

そんな中での満を持しての登場ではラストシーンのみで、せりふは「あぁ〜、兄貴ぃ。また暴れたいからなぁ」という一言だけだったが、津田は“イケボ”を封印したしゃがれ声に語尾を切らない口調で演じ、一筋縄ではいかない小島の“異質さ”を表現。ドスの効いた声のヤクザたちが多く登場する作品でありながら、他のヤクザとは一線を画す演じ方で新たな一面を見せて、声優としての深みを垣間見せた。明と岬のロマンスを予感させるようなほんわかした空気感から一転して不穏な空気に変えるには十分な演技で、一言ながら存分に存在感を発揮。

SNSでは、「最後にツダケンキターーーー!」「小島は津田健次郎さんなのー! 小島嫌いなのに好きになるやん笑」などといったファンたちの歓声があふれ、今後どんな小島を見せてくれるのかという期待感も高まっている様子だった。

◆文=原田健