「僕の心にはシニシャが浮かんだ」

ボローニャに所属するFWリッカルド・オルソリーニが、クラブ史上初の快挙を亡き闘将へ捧げた。

現在セリエAで3位につけるボローニャは11日、第36節でナポリと対戦した。昨季の王者を相手に9分、12分と立て続けにゴールを奪い、守っては強力な攻撃陣を完封。敵地での戦いながら2-0の勝利を収めた。

すると、翌日に開催された試合で、6位のローマが5位のアタランタに1-2の敗戦。2試合残して3位ボローニャ(勝ち点「67」)と6位ローマ(同「60」)の勝ち点差が7ポイントまで広がり、前者のトップ5フィニッシュが確定した。つまりボローニャのクラブ史上初のCL出場権獲得が確定したのだ(セリエAに所属するクラブの来季のCL出場枠が5つのため)。

2022年9月にチームの指揮官に就任したチアゴ・モッタ監督のもと、今季は序盤戦こそドローが目立ったが、徐々に勝ち切れるチームへと変貌。ボローニャはビッグクラブ相手にも引けを取らない戦いを披露してきた。もちろん、リーグ戦を戦いながらチームを成長させ続けてきたモッタ監督の手腕もさすがだ。ただ、今季の躍進の背景には、病気によって志なかばでチームを去り、2022年12月に亡くなったシニシャ・ミハイロビッチ前監督の影響も少なからずあったのではないか。

ミハイロビッチ前監督は2019年1月から2022年9月までボローニャを指揮。鬼軍曹や闘将としても親しまれ、チームを戦える集団へと作り上げていった。現在アーセナルでプレイする日本代表DF冨安健洋も教え子のひとりだ。当時は順位こそ二桁で終えていたが、ボローニャが特にビッグクラブを苦しめるようになったのはこの頃からだと思う。

実際、ミハイロビッチの教え子で、今季もボローニャで10ゴールを記録しているオルソリーニが『DAZN』のインタビューで「ミハイロビッチ前監督の影響」に関して聞かれると、「もちろんありますよ。彼はこのチームの基礎を築き、僕らは彼から学んだ意志の強さを引き継いだ。僕らの想いは間違いなく彼の方へ向いている」や「正直にいうと、アタランタとローマの試合が終わった瞬間、僕の心にはシニシャが浮かんだよ」と答えていた。

ミハイロビッチ前監督も天国で今季のボローニャの躍進を喜んでいるのではないか。