日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が27日、東京・両国国技館で開かれた。大相撲夏場所は新小結大の里(23=二所ノ関)が12勝3敗で史上最速優勝を達成。一方で、横綱照ノ富士(32=伊勢ヶ浜)が2日目から途中休場し、2場所連続で横綱不在の事態となった。

 横審の山内昌之委員長(東大名誉教授)は「照ノ富士の休場は残念」としながらも「場所に少しでも出ようとしたという彼の敢闘精神と責任感の表れは評価はできる」と一定の理解を示した。

 その上で「気持ちとしては温かく、相撲という厳しい世界に関わる者としては厳しく見る。(7月の)名古屋場所、あるいは次の秋場所。ここまでケガの回復過程や土俵への復帰についての横綱の執念と責任感を見てみようではないかと。そのような形で見守るということ」と横審としての姿勢を説明。「2場所」で期限を区切り、状況を注視する構えを見せた。

 また、現時点で横審として決議を下す可能性については「激励、注意、ましてや引退勧告というようなことには、到底当てはまるものではない」と否定。この先の2場所も休場した場合については「横審が先走りして語るのは、横綱に対して少しせん越になるのではないか。名古屋、東京の結果を見ましょう」と明言を避けた。