〝香港最強馬〟ロマンチックウォリアー(提供=平松さとし氏)
〝香港最強馬〟ロマンチックウォリアー(提供=平松さとし氏)

安田記念2024

[GⅠ安田記念=2024年6月2日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝1600メートル]

 昨年の安田記念覇者ソングラインは新設された「JRA最優秀マイラー」の座についた。いまやBCマイルや香港マイルなど海外のレースへターゲットも増えたが、秋のマイルCSとともにタイトルを占う重要な一戦となる。しかも今年は香港から強力な刺客が参戦。国内一線級のマイラーとの激突で盛り上がりそうだ。

 その香港馬の筆頭格がロマンチックウォリアー(セン6・シャム)。クイーンエリザベスⅡ世Cで史上初の3連覇も成し遂げているGⅠ7勝馬で、香港中距離の最強馬といえる存在だ。マイル参戦は久々となるが、過去にはGⅠで2着もあり問題あるまい。もう一頭の香港馬ヴォイッジバブル(セン6・イウ)はGⅠタイトルこそ1つのみだが、マイルの距離での経験や実績は引けをとらない。共に地元・香港では日本から遠征したトップ級に先着しており、アウェーの地でも同じパフォーマンスを発揮できるか。両馬とも登録のある宝塚記念まで含め、その走りには注目したい。

 迎え撃つ日本馬の代表は牡牝のマイルGⅠウイナーだ。セリフォス(牡5・中内田)は長らく日本のマイル路線をけん引。今季初戦のマイラーズCは2着とGⅠ2勝目に向けて上々の発進を決めた。過去2年はいずれも小差負け(4→2着)。3度目の正直で安田記念初制覇なるか。

 ナミュール(牝5・高野)は前走のGⅠヴィクトリアマイル(8着)がまさかの凡走。陣営の話を総合すれば、海外帰りでの状態面や出遅れが響いたようだ。昨年の同レースでは不利を受けて不完全燃焼の16着に終わっており、巻き返しに力が入る。

 ほかにも2歳以来のマイル戦となるジオグリフ(牡5・木村)、美浦滞在で調整中の22年NHKマイルC覇者ダノンスコーピオン(牡5・福永)といったGⅠ馬が復活を狙うが、近走の勢いではソウルラッシュ(牡6・池江)が目を引く。昨年のマイルCSでナミュールのクビ差2着し、前走のマイラーズCではセリフォスを1馬身3/4下した。GⅠ未勝利とはいえ戦績的にはマイル路線ではトップ級の存在だ。

 ガイアフォース(牡5・杉山晴)は昨年の同レースでセリフォスと同タイムの4着。そして今年のフェブラリーS2着と〝二刀流〟の活躍を見せ、芝・ダートを問わず東京マイルはピッタリの印象だ。他方、GⅠ大阪杯で4着と見せ場十分だったステラヴェローチェ(牡6・須貝)、GⅢダービー卿CT制覇=パラレルヴィジョン(牡5)、ヴィクトリアマイル2着=フィアスプライド(牝6)と充実ムードの国枝2頭、さらに東京マイルに良績多いウインカーネリアン(牡7・鹿戸)、レッドモンレーヴ(牡5・蛯名正)らチャンスある馬が多数揃った。

著者:東スポ競馬編集部