JR南武線・久地駅と、至近の踏切の改善を求める区民有志らの署名活動が今春3年目を迎えた。「駅舎橋上化の実現」と「賢い踏切の早期設置」等を目指すメンバーは改札前で定期的に活動しており多くの協力を呼び掛けている。

久地駅のすぐそばにある「久地踏切」は遮断時間が長く、近隣小学校の通学路でもあるにも関わらず、人が道路にはみ出て待つ状態や、踏み切りが開いた時に人が多く子ども達が一度に渡り切れないなどといった危険な状況が続いている。

現在の遮断時間(1時間で最大43分)は、国交省などの定める「開かずの踏切」の基準を超えていることなどから一昨年、近隣の住民らが組織を発足。「久地駅と久地踏切の改善を求める会」(事務局連絡先【携帯電話】090・6544・1052)として署名活動をスタートした(本紙2023年6月30日号既報)。

「賢い踏切」で時短を

同会は、一つ隣の津田山駅と同様に久地駅の「駅舎橋上化」を求めると共に、駅至近にある久地踏切を「賢い踏切」に改善する事を要求している。この踏切は「停車列車に対して警報開始点を新たに設けることで、通過列車と停車列車を判別し、停車列車に対する踏切警報時間を短縮することが出来る」(JR資料より抜粋)というシステム。南武線で既に設置を済ませている平間駅や向河原駅至近の踏切では、大幅な遮断時間の短縮を実現しているという。

「臨時改札設置」要望も

活動も3年目を迎えた同会の関係者は、この間の経緯を説明。昨年3月と10月にJRと川崎市に提出した要望書はそれぞれ5000筆を数え、進捗に手応えを感じる一方、橋上駅舎の課題解消について、周辺の土壌改良の必要性などを理由に「相当の時間を要する」としている行政側の対応にはもどかしさも。久地駅周辺は近年人口増加が著しく、駅利用者も増加の一途。直近では大規模マンションの建設も進んでおり、共同代表を務める佐々木美由紀さんは「早期整備は喫緊の課題。要望の中には『朝のラッシュ時における駅南側への臨時改札口設置』も加えているので、ぜひ署名活動に多くの協力を」と呼び掛けている。

今後5月10日(金)の朝と29日(水)夕方にも久地駅改札前で署名活動が行われる予定となっている。