逆に、自分で考え、決め、行動できるなら、成功すれば自信につながり、失敗をしても「どう乗り越えるか」を考えることができ、その経験もすべて自信につながっていきます。

自分の頭で考えることが、自分や周りを信じること、夢や目標をかなえていけるという自信につながっていくのです。

先ほども述べましたが、本当の自信とは「どんな時でも」「どんな自分でも」「自分を信じられる力」のことを言います。それは、「失敗をしない」ことではなくて、「失敗を乗り越えられる」「失敗を受け止められる」という感覚です。

そのためには、子どもが失敗をした時に怒ったり、責めたりするのではなく、「どうすれば、次はうまくいくかな?」といっしょに考えてあげてください。いい子にしている時や、成功した時だけでなく、どんな時にも愛情を持って、誰よりも信じてあげてほしいと思います。

子どもが「自分で考えること」を奪わない

子どもに何かを質問するとき、子どもがあなたの考えとは違う答えを言うことがあるかもしれません。そんな時、大切なのは、どんな答えでも「いいね!」と聞いてあげることです。

もし、あなたと考え方が違うのであれば、「どうして、こう思ったの?」と、理由をしっかりと聞いてあげてください。子どもには子どもなりの理由があるはずなので、それをまずはしっかりと受け止めることが大切です。

そして、あなたの意見は「私はこう思うよ」とひとつの意見として、伝えてみましょう。この関わり合いが、子どもの考える力や、自立心、そして、個性を育んでいきます。

質問の価値は、「自分の頭で考える」ということにあります。

大人が「それは違うよ」と否定してしまうと、子どもは自分で考えることをやめ、「大人が気に入る答えを探し、覚える」ようになります。

それでは、「考える力」は育まれず、いつまでも、誰かに正解を求めて生きていくことになってしまいます。「どんな答えなのか」ではなく、大人が「いいね!」と聞いてあげること自体に意味があります。