ただ、最近は健康志向の男性も増えてきたことから、利用者の男女比は4対6ほどと、意外に大きな差はありません。時間帯別では、主力のランチタイムだけでなく、朝はホットドッグやコーヒーを提供し、アイドルタイムはスイーツ。

さらに夕方以降はハッピーアワーの展開やおつまみメニューを販売するなど、それぞれに合わせた戦略を張っています。「『ハッピーアワー』といいつつ、午後4時から閉店までビールを290円で販売しており、この時間は男性客も多くいらっしゃいます」と青木さん。

なぜ「3ポテト、2チキン体制」なのか

複数種類のフライメニューを提供している理由の一つには、多彩なニーズに沿ったメニュー展開をしたいと考えたことがあったそうです。

もともと、創業当時のフライメニューは北海道産フライドポテトのみ。その名の通り北海道産のじゃがいも「北海こがね」を使用しており、非常に思い入れの強い商品でしたが、ポテトと並んでハンバーガーと一緒に食べられることが多いチキンナゲットを、2008年にメニューへと追加。外側の衣には7種類のスパイスをミックスしており、中身は製造工程で「蒸し」を挟むことで、非常にフワフワな食感を実現している、こちらもいぶし銀のメニューです。

外カリ、中フワのチキンナゲット 外カリ、中フワのチキンナゲット(筆者撮影)

その後、飲み物だけを利用している人や、小腹が空いたときに食べる商品として、サイドメニューを充実させる観点から2016年にフライドチキンを発売しました。

フライドチキンの登場には、ハンバーガーのラインナップを広げる狙いもありました。というのも、同時期にフライドチキンを使った「クリスピーチキンバーガー」も発売しています。「当時は牛肉メインのラインナップだったため、鶏肉を使ったハンバーガーも作ろうと開発しました」と青木さんは話します。

メニュー開発でポイントになったのが「鶏もも肉」を使うことでした。ジューシーさをウリにした商品を作りたいと考えたものの、もも肉は独特の臭みがあり、加工や店舗調理の再現性に難しさがあります。そこで、下味に白みそを使ったり、バジルやコリアンダーなど8種のスパイスを加えたりすることで、もも肉の短所を消し、ジューシーな商品に仕上げました。

鶏肉の下味などは工場でしていますが、そこから生の鶏肉を店舗に配送し、調理用のバッター液は店内で作っています。注文が入ってからその場で揚げることで、サクサクかつジューシーな味を提供できているそうです。

フライドチキン 揚げたてのサクサク・ジューシーな味が魅力のフライドチキン(提供:フレッシュネス)