——今は別々で動いている、TSMC熊本とラピダスのプロジェクトをつなげる提案もしています。

2つのプロジェクトを1つの戦略でまとめる会社を実際に作るかどうかは別として、新しいプロジェクトや投資を行うためには、基本的には既存のビジネスから得た収益を流すに尽きる。それができる構図を日本としてどう作るかが重要だ。

政府は両方にお金を出している立場なので、そうした連携にうまく持っていければベストだ。

——そもそも、政府が特定の産業や企業に多額の公費を投入することの是非についてはどう考えますか?

中途半端な投資は意味がないので、ある程度まとまった額を拠出したことは評価できる。あとは、まとまった額を出すからには、簡単に諦めないでほしいということだけ。中途半端に進めて、結局アメリカに売却するというのが、いちばん避けなければならないストーリーだ。

著者:石阪 友貴