結成5周年を迎えた関西発の5人組グループLil かんさい。5月29日(水)〜31日(金)の3日間、東京ガーデンシアターで開催された初の東京単独公演では、48,000人を動員。5月31日の昼公演の「Lil かんさい LIVE 2024 『一舞入魂』」のステージの模様をお届けします。

初の東京単独公演を成功させたLil かんさいの「一舞入魂」のステージ!


Lilかんさいの初単独公演のタイトルは、「一舞入魂」。“ひとつの舞台に魂を込める”という思いを込めて付けられたという。

グループの結成は、2019年1月22日、今年で5周年を迎える。元気でチャキチャキした関西気質なトークを武器にした、キラキラ系のザ・王道アイドルの印象が強い5人組だ。最年少の當間琉巧さんが4月22日で20歳になったが、最年長の西村拓哉さんが4月19日で21歳になったばかりで、メンバー間の年齢差は、たった1歳。仲良し同級生のグループ感が強く、わちゃわちゃしたやりとりが可愛らしい。そんな彼らのステージは、関西ジュニアの「NEXT STAGE」から始まった。

きらめきの未来を目指して、道なき道を行こうと歌うこの曲から始まった5周年の記念すべきステージ。疾走感あふれる楽曲で、ネクストステージへの勢いを魅せつけ、2曲目の「Bright It On」へ。さあ、派手に行こうぜ、今がその時と歌い、ここから攻めていきたい彼らの気持ちとリンクするような歌詞の楽曲が続く。「Blow out」では、メインステージから「行くぞ〜!」と、アリーナの中央ステージへ駆け出す。
 
長年歌い継がれてきた関西ジュニアの曲で会場が温まったところで、メンバーが挨拶。“特技はアイドル”と胸を張る嶋﨑斗亜さんは、「どうも〜、嶋﨑斗亜です。皆さん、盛り上がる準備できていますか? いやいや、皆ならもっとできるでしょう。最後までよろしく!」。大先輩の木村拓哉さんが名前の由来という西村拓哉さんは、「西村拓哉です。皆さん、声出す準備できていますか? もっと!」と、会場を熱くあおっていく。

東京ガーデンシアターは4階まである会場。ツンデレキャラの大西風雅さんは、「どうも、大西風雅です! 1階、2階、3階、4階! 全員、幸せにします。盛り上がって行こうぜ!」。マイペースなリーダーの岡﨑彪太郎さんは、「岡﨑彪太郎です。どうもコタちゃんです。もっともっと声出して下さい。よろしく!」。ラストは、ラップ担当で最年少の當間琉巧さん。「當間琉巧です。端から端まで、この会場全員、俺たちと楽しみましょう」。

明るくポップな楽曲が揃ったセットリストで、Lil かんさいの青春感を満喫できたのが、関西メドレー。なにわ男子、SUPER EIGHT、WEST.と関西出身の先輩グループの曲や関西ジュニアの名曲を熱量たっぷりに畳みかけていく。

今回のライブは、今まで以上に長い時間をかけて全員が納得したセットリストだという。ソロのパフォーマンスもそれぞれの魅力をフル発揮できる選曲に。藤ヶ谷太輔さんの「Think u x.」でセクシーな魅力を放ったのは、西村さん。フードをかぶって登場し、階段に座って歌い、中盤からはしなやかにダンス。肩をはだけさせ、ラストはペロリと舌を出すとファンの黄色い悲鳴が。

二宮和也さんが作詞作曲した「爪痕」を白シャツのシンプルな衣裳で歌ったのは、嶋﨑さん。夕焼けの情景が思い浮かぶ切ない愛の唄を選曲。ピンスポットに照らされる中、胸に手を当てながら、まっすぐな歌声で届けた。大西さんは、菊池風磨さん作詞の「20 -TW/Nty-」を。白い羽根の付いた衣裳で「愛しているよ」と愛のメッセージを放つ。

岡﨑さんは、嶋﨑さんと大西さんがバックダンサーを務める中、山田涼介さんのハッピーなラブソング「Oh! My darling」を。バラの花を持ちながら、軽やかにステップを踏んだり、ターンを決めたり、華麗にパフォーマンス。極めてきたラップ力にますます磨きがかかってきた當間さんは、作詞作曲はもちろん構成も初めて自分で担当した“當間 Rap”コーナーでキャップを目深にかぶって披露。“こざかしく生きるのはナシ”と自分の生き様を歌う歌詞からは、當間さんのポリシーが丸わかりだ。


嶋﨑さんが「斗亜がいちばん得意かもしれん」と、空中ウォーク・スリックバックを披露することから始まったMC。「浮いてたよって人? ちょっとリトかんで斗亜って浮いてるなって思ってる人?」と冗談交じりに会場に確認して、「スリックバック流行ってたとき、めっちゃ練習したんよ」と得意気な嶋﨑さん。すると、「なんか(大西)流星くんのスキップみたいやんな(笑)」と當間さん。嶋﨑さんは「大西流星くん、スキップできへんから、スキップ浮いてんねや。スリックバックの動画が出始めた時から、何か見たことあるなと思った(笑)」。

「斗亜のママ、たまに熱が入ったようにフラフープをやる。可愛いやろ。ほんま可愛いで〜。斗亜も可愛いよ、キュン!」と嶋﨑さんが母親の話をしたことから、メンバーの母親エピソードも飛び出す。「斗亜とお母さんとのメールがさ、チラッと見えた時あって。めっちゃ会話可愛かった。“今日見に行くから頑張ってな”って送られてきていて、“頑張るわ”…みたいな」(當間さん)。

西村さんは「昔YouTubeかなんかで、斗亜が俺にきついツッコミをしてたらしくて。“拓哉くん、(斗亜が)キツイこと言ってごめんね”って」と、斗亜ママから連絡が来たことが判明。「お母さんそこまでリスクヘッジしてくれてたんや。メンバー間のことも考えてくれたんかな」とありがたげな嶋﨑さん。當間さんは、母親のメールに返信していないことを嶋﨑さんに暴露され、「皆さん、いっぱい歌って踊ったりした後ってメール見れます? 俺は未読無視にしているのは、やさしさやと思ってる(笑)」と言い訳する當間さんに大西さんが「スタンプぐらい返したりいや」と諭していた。

MC後は、スクリーンに雷神のコスプレをしたお茶目な嶋﨑さんが登場すると、ゲームコーナーに突入。「そこのちっちゃいの5人組。お前たち、俺の退屈しのぎにつきあってくれ。今から低周波マッサージ器を使ったゲームに挑戦してもらう。もし失敗したらキツイ罰ゲームが…。協力して頑張るんだな」と雷神・嶋﨑さん。

低周波のマッサージ機を装着すると、「電気風呂も入られへん」とビリビリを怖がる當間さん。一方、「電気、強いのよ。ビリビリペンで僕が今後リアクションしていたら、嘘やと思ってください(笑)」と自信をのぞかせたのは、嶋﨑さんだ。ビリビリ電気が流れた状態で大縄跳びを制限時間2分以内、 10回連続で飛ぶことができたらチャレンジクリアというゲーム。ビリビリに叫びまくっていた西村さんが引っ掛かり、記録は9回でチャレンジは失敗。

2つめのビーチボールラリーは、制限時間2分以内10回連続ラリーできたらクリアというゲーム。ヘッドでボールを当てに行く大西さんに「手を使え!」と叫ぶ嶋﨑さんたち。ラスト西村さんのターンで今度は10回成功。ビリビリ電流に叫びながら、わちゃわちゃする可愛らしい姿に会場は、ほっこり。

告知コーナーでは、関西発グループによる新プロジェクト「KAMIGATA BOYZ」が9月21日、22日に開催するイベントにLil かんさいも参加することを報告。大西さんが「詳しくはKAMIGATA BOYZのホームページを見てください。俺は文を書いてるから、むちゃくちゃ賢い!」とメンバー代表でコメントを寄せていることをアピール。

西村さんが、「(大西さんが)いちばん日本語力ないのになぁ」と言うと、當間さんも「そう。こそあど言葉…これ、それ、あれ、どれ、でしか喋らんそうやんな(笑)」と同意。西村さんは、「ダメ出しのときも、何のこと言ってるか、分からへん。まったくよく分からん会話しているのに、こたちゃんは分かってて。すごいよな、こたちゃん(笑)」と言葉足らずな大西さんの言いたいことを理解できる岡﨑さんを褒めまくり。他にもKAMIGATA BOYZのイベントでシャッフルユニットコーナーがあるなら、當間さんが「どういう分け方? 色なのかな? MBTIで分けたら楽しいね」と盛り上がっていた。

ソロの他にユニット曲も盛りだくさん。嶋﨑さんと西村さんがアイドル力を爆発させながら、KinKi Kidsの名曲「愛のかたまり」をドラマティックに歌い、会場のファンをトリコに。大西さん、岡﨑さん、當間さんの3人は、「King & Queen & Joker」を。岡﨑さんがキング、大西さんがクイーン、當間さんがジョーカーとなんとそれぞれトランプになってダンスするというコミカルな演出がユーモアたっぷり。

ラストスパートでは、レーザー光線が飛び交う中、Aぇ! groupのダンスナンバー「アエテオドル」で“一舞入魂”の舞を体現。なにわ男子の「2 Faced」ではスパークラーや花火が激しく吹き上がる中、ハードなパフォーマンスでカッコいいLil かんさいもしっかり届ける。

それでも最後は、King & Princeの「シンデレラガール」、なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」でキラキラアイドルの本領をフル発揮。最後は、やっぱりこの曲を披露しなくてはならない彼らの代表曲「Lil miracle」でこの日いちばんの笑顔がこぼれた。


ラストあと1曲になったところで、今の思いを伝える挨拶を。トップバッターは嶋﨑さん。「昨日もちょっとこの場に立ったとき、同じようなことをお客さんに伝えたんですけど。本当に改めて、こうやっていろんなアイドルさんがいる中、僕たちLil かんさいを選んで、こうやって今日この場に来てくれたこと、本当に嬉しく思います。僕らLil かんさい、すべてのアイドルの中のトップを目指すつもりです」。

「今、皆さんの中で、常にLil かんさいという存在がアイドルの中でいちばんでいられているのかなと思うと、本当に嬉しくて。すごい実力のある先輩方やカッコいい先輩がたくさんいる中、Lil かんさいを応援してくれて、うちわとか作ってくれたり、メイクこういうの好きかなとか、髪型こういうの好きかなとか、いろいろ僕たちのことを考えて、行動してくれる皆さんに本当に感謝しかないです。僕たちLil かんさいは、感謝を何十倍、何百倍にして、皆さんに返せるようにどんどん努力していきますので、Lil かんさいの応援よろしくお願いします」。

続いて、當間さん。「今日も朝は雨が降っていたから、大変じゃないですか。そんな中、来るのって。この5人のために、平日なのでお休みもとっている方もいると思うんです。僕たちに会いに来てくれること、本当に喜んでいます。めちゃくちゃ嬉しい! 今回、僕たち史上いちばん大きい会場でやらせてもらって、一度にこんなに多くの人が来てくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。Lil かんさいは、間違いなく、皆さんの期待に応えられるグループになっていますし、僕、當間琉巧も期待に応えられる男になりますので、ぜひ見守っていて下さい」。

会場に足を運んでくれるファンへ感謝の思いをたくさん語ったのは、岡﨑さん。「今回、こうやってステージに立たせてもらって。本当に僕たちすごくたくさんの人たちに支えられているんだなと感じました。メンバー5人でお互いの足りない所を補いあったり、お互いの良い所を皆さんに提供したり、そういった部分で支え合っていたり。スタッフさんにもいろんな所で支えてもらって。何よりファンの皆さんにとても僕たち支えてもらっていると思います。ペンライトを振ってくれているだけでも、ホンマにそれだけで元気をもらえるし。声出してくれるだけで、僕たちもよりいいパフォーマンスにしようってなるし。僕たちに時間を使ってくれて、僕たちに会いに来てくれて、本当にありがとうございます。これからも僕たち伸びしろいっぱいに頑張っていきますので、これからも応援のほうよろしくお願いします」。

ペンライトがメンバーカラーの紫に輝くと大西さんの番に。「本日はありがとうございました。今日もすごく楽しかったです。とても幸せでした。皆さんも一緒に幸せになってくれたら嬉しいなと思います。僕たちは、来ている皆さんがいないと生きていけないし。ファンの皆さんがいないと自分は本当に何してたんやろうなって思います。僕たちを輝かしてくれる皆さんがすごく大好きです」。

爽やかな笑顔が印象的だったのは西村さん。「本当に毎回、ステージに立つたびに最高の景色を皆さんに見せてもらっているなと実感します。うちわからも、ペンライトからも、何をとっても皆さんの愛情をたくさんたくさん感じて。表情もそうやし、本当に5人のことを愛してくれているんやなっていうのが、伝わってきて。いつも幸せに感じています。今日素敵な景色を見せてくれたのは、皆さんなので、これよりもっともっとキレイなすごい景色を見せると約束します。だからどうか、ずっとずっと、ついて来てくれたらなと思います」。

結成5周年を迎えた彼ら。西村さんが「今回は、史上最高に自信があるライブに仕上がりました。今まで支えてくださった方への感謝の想いとこれからの僕たちの未来が大きく明るいものだと確信できる熱量が伝わると思います」と最終日のライブに向けてコメントを寄せて、Lil かんさいの明るい未来を予感させるステージとなった初の東京単独公演。この夏も「関西ジュニア サマバケ 2024」を大阪松竹座で予定。関西らしさを活かしながら創りあげるバラエティに富んだ“一舞入魂”精神のライブで、ファンをますます楽しませてくれるだろう。

写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子