井上尚弥に6回TKO負け

 ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。敗れたネリは病院に直行したため会見などは行われなかったが、一夜明けて米専門メディア「ボクシングシーン.com」のインタビューに応じている。

 初回に左フックを井上の顎に着弾させ、ダウンを奪ったネリ。しかし、そこからモンスターに盛り返されると、計3度のダウンを喫し、6回TKOで敗れた。ダメージの色濃いネリは決着後、すぐに立ち上がれず呆然。試合後、井上と健闘を称え合う握手を交わしたが、病院へ直行。関係者からは「本日のネリ選手のインタビューは大事を取って病院に行くため、実施はなしとなりました」とアナウンスされた。

 一夜明けた7日に「ボクシングシーン.com」のインタビューに応じたネリ。敗れたとはいえ、初めて井上からダウンを奪った男になった。「(もし株が上がっているなら)それを利用して、次戦ではもっと良く見えるようにしなければならない。122(スーパーバンタム級)か126(フェザー級)で統一を果たしたい」と語っている。

 同メディアは、35勝(27KO)2敗のネリがフェザー級に転向する見込みであると指摘。2017年8月の山中慎介戦の薬物検査で陽性反応が出たほか、18年3月の再戦は大幅な体重超過でWBC世界バンタム級王座を剥奪された。他にも体重超過を犯した過去があり“悪童”のイメージは根強い。

 マネージャーのショーン・ギボンズ氏によると、現在のネリは規律正しい生活を送っているという。ネリ本人も「真剣に取り組まなければならないことはいつも分かっていた」「俺はそれ(堕落した過去)をすべて手放した。今は自分のキャリアに集中する時だ。俺には3人の娘がいて、結婚する予定だ。だから状況が変わるんだ」と話している。

 一方で“悪童”を脱却するかと問われると「いや、俺はまだバッドボーイだ」と笑ったようだ。「でも、リングの中でだ。昨日、俺はそれを示した。(スティーブン)フルトンや他のみんなのようなことをしに、ここに来たんじゃない。戦いに勝つためにここに来たんだ」と、あくまでボクシングではキャラを貫く方針を示した。

(THE ANSWER編集部)