日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-2024

 バスケットボール男子B1リーグの年間優勝を決めるBリーグファイナル(2戦先勝方式)の第1戦が25日、横浜アリーナで開催され、琉球ゴールデンキングスが広島ドラゴンフライズに74-62で勝利。連覇に王手をかけた。広島は敗れたものの、第4クォーター(Q)に猛追。反撃の起点となった帰化選手の河田チリジは「アグレッシブで居続けるように」と果敢に体を張り続けた。

 引き離されてたまるものか。そんな気合が満ち溢れていた。43-62と19点ビハインドで迎えた最終第4Q。河田はリング下で体を張り続けた。オフェンスリバウンドを確保してボールを押し込めば、ディフェンスリバウンドからチャンスを演出。スティールを決めれば両手でガッツポーズを作った。残り6分9秒には豪快なワンハンドダンク。広島ブースターのボルテージを一気に引き上げた。

 第4Qだけで8得点、3リバウンド、2スティール、1ブロックをマーク。最大24点差から一時8点差まで縮める広島の猛反撃の起点となった。南アフリカ出身の34歳。昨年10月に日本国籍を取得して帰化選手となり、登録名も「チリジ・ネパウェ」から「河田チリジ」に変わった。来日9年目。身長208センチ、体重122キロの巨体を生かして存在感を発揮。この日10得点、5リバウンドと奮闘した。

 ハッスルを見せた第4Q。河田は「自分たちらしいゲームをプレーし、アグレッシブで居続けること。コミュニケーションを取って、いいローテーションでディフェンスできるように心がけた」と振り返る。前半で3つのファウルを犯し、ファウルトラブルに陥ったものの「アグレッシブでいることは止めないようにした」と恐れずにぶつかり合った。

 チームは初戦を落とし、悲願のB1初優勝へあとがなくなった。「後半はとてもいいプレーができていた。明日は試合の入りからアグレッシブに。プレーオフを通じてやってきた自分たちのプレーができるようにフォーカスしていきたい」。広島はワイルドカード枠での出場ながら中地区首位の三遠、西地区首位の名古屋Dを倒す“下剋上”で勝ち上がってきた。下を向くことなく、逆境を跳ね返す意気だ。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)