日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-2024

 バスケットボール男子B1リーグの年間優勝を決めるBリーグファイナル(2戦先勝方式)の第2戦が26日、横浜アリーナで開催され、広島ドラゴンフライズが琉球ゴールデンキングスに72-63で勝利し、1勝1敗のタイに戻した。開催7回目で初の西地区同士の対決。優勝をかけた第3戦は28日に行われる。指揮官は「選手の成長に毎試合驚かされている」と下馬評を覆す戦いぶりに胸を張った。

 中立地・横浜アリーナのスタンドが白と朱色に綺麗に分かれた。沖縄らしい指笛がこだまする中、負けじと響く「レッツゴー広島!」コール。同地区同士の意地がぶつかり合った。第1クォーター(Q)は広島ペース。前日7得点に抑えられたエース、ドウェイン・エバンスが第1Qだけで6得点を挙げるなど21-14と主導権を握った。第2Qは琉球が反撃。30-34と逆転を許し、前半を折り返した。

 後半も序盤は琉球ペース。一時11点差をつけられるが、広島はエバンスや山崎稜の3ポイントシュート(3P)などで反撃。残り2分59秒に44-43と逆転すると、その後は一進一退の攻防。48-47と広島1点リードで最終第4Qに突入すると、広島が上澤俊喜の3Pなどで流れをつかんだ。追いすがる琉球を引き離し、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。

 初戦は琉球が74-62で先勝。序盤からペースをつかんで最大24点差をつけたが、広島も第4Qに猛反撃。一時8点差まで追い上げる気迫を見せた。西地区3位ながらワイルドカード1位でチャンピオンシップ(CS)出場を決めた広島は、クォーターファイナル(QF)では中地区首位の三遠を、セミファイナル(SF)では西地区首位の名古屋Dを倒す“下剋上”でB1昇格4年目で初のファイナルに進出した。

 広島は日本代表経験もある司令塔・寺嶋良が3月3日の千葉J戦で負傷。全治8〜10週間の大怪我で欠場を余儀なくされる中、代役の23歳・中村拓人がチームを牽引した。この日は13得点、3アシストに加え、2つのスティール。攻守で流れを変えるプレーを連発した。中村は「良さんから『頼んだ』と連絡をもらった。良さんのためにも僕自身頑張らないといけないと思っていた」と責任感を口にした。

 カイル・ミリング監督は「若い選手がどんどん成長している。寺嶋が怪我した時、『今年の広島はCS難しいかもしれない』という声が上がっていたが、私たちは自分たちの力を信じていた。『琉球にスイープされるだろう』という声もあったが、互角の試合ができている。選手の成長に毎試合驚かされている」と下馬評を覆す戦いぶりに胸を張った。

 7回目の開催で初の西地区対決となったファイナルの決着は最終戦に持ち込まれた。琉球が勝てば、17-18、18-19年シーズンのA東京以来、B1史上2度目の連覇。一方の広島は球団史上初、そしてB2から昇格した球団として初のB1制覇がかかる。

(THE ANSWER編集部)