日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-2024

 バスケットボール男子B1リーグの年間優勝を決めるBリーグファイナル(2戦先勝方式)の第2戦が26日、横浜アリーナで開催され、広島ドラゴンフライズが琉球ゴールデンキングスに72-63で勝利し、1勝1敗のタイに戻した。今季限りで引退を発表している42歳のレジェンド朝山正悟は、「なかなかゆっくりさせてくれない優しい仲間」と笑顔。第3戦が「日本バスケ界の勝利」となることを願った。

 ベンチから常にチームを励まし続けた。朝山は2試合続けて出場することはなかったが、何度も立ち上がって味方を鼓舞。流れが悪い時には「冷静に」と落ち着かせ、好プレーが出た時には両手を大きく広げ、満面の笑みでハイタッチした。「今日は最高のゲームができたんじゃないかと思います」。試合後の取材では、逆転で勝利を掴んだ後輩たちを誇らしげに称えた。

 42歳の大ベテラン。Bリーグ以前のNBL時代から広島でプレーして9年目。B1昇格などに貢献してきたレジェンドだ。17-18年シーズン中にはBリーグ初となる選手兼任監督を務めたこともある。昨季も選手とアシスタントコーチを兼任。開幕前には今季限りでの引退を発表した。この日の勝利で引退は最終日まで伸び、「なかなかゆっくりさせてくれない優しいチームメート」と報道陣を笑わせた。

 B1昇格4年目にして初のファイナル進出。クラブ史上初、B2から昇格した球団としても初のB1制覇まであと1勝まで来た。苦しい時期も知る朝山は「これまでクラブに関わってくれた沢山の人たちの思いがようやく繋がってきている」と感無量。「個人的には最後の最後までバスケットができる喜びをしっかり噛みしめながら、最終日を迎えたい」と笑顔で頷いた。

 この日は初日の1万2969人を上回る1万3203人の観客が耳をつんざくような声援で両軍を後押しした。泣いても笑っても28日の第3戦が最後。「昨日は琉球さんが勝って、今日は自分たちが勝った。最後は日本のバスケット界の勝利となるような最高のゲームができたら」。自身の集大成となる一戦だが、Bリーグ創設前から長年バスケ界を牽引してきた男は、何よりも競技全体が盛り上がることを願った。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)