自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金改革をめぐり、自民、公明両党は9日、政党から議員個人に渡される政策活動費の使途公開などを柱とする政治資金規正法改正案について合意した。ただ、具体的な公開範囲などは棚上げした形で、政治不信の払拭(ふっしょく)にはほど遠い内容にとどまった。

 与党がまとめた改正案は、政策活動費の使途公開の義務化、政治資金パーティー券購入者の公開基準額の引き下げ、国会議員関係団体に比べて公開基準が緩い「その他の政治団体」の公開ルール強化を3本柱とする。

 さらに、政治家の責任強化を図るため、政治資金収支報告書の提出にあたり、議員による「確認書」交付を義務づけ、不記載などで会計責任者が処罰された場合は政治家にも刑罰を科すとした。

 政策活動費について、自民は「政治活動の自由」を理由に、政党から議員個人への支出段階における大まかな項目の公開にとどめるべきだと主張。公明は、受け取った議員による使途を示す明細書が必要だと指摘した。最終的に、議員による使途公開で折り合ったが、公開範囲などは一致できずに明記しなかった。

 パーティー券購入者の公開基準額についても溝は埋まらなかった。公明は現行の20万円超から5万円超への引き下げを求めたが、自民は10万円超を譲らなかった。