ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、要人の警備を担当する国家警備局のトップを解任する大統領令を出した。理由は明らかにされていないが、自らを含む複数の幹部の暗殺計画を企てたとして、同局の大佐2人が逮捕されたことを受けての対応とみられる。

 解任されたのは、2019年から国家警備局長を務めていたセルヒー・ルディ氏。ウクライナ保安局(SBU)は7日、ロシア連邦保安局(FSB)と共謀してゼレンスキー氏やSBU長官らを暗殺する計画を立てていたとして、国家警備局の大佐2人を反逆やテロ準備の疑いで逮捕したと発表していた。

 ゼレンスキー氏の暗殺計画は、これまで何度も明らかになっている。3月にはイタリアの公共放送「RAI」のインタビューに対し、自らに対する暗殺計画について「10回以上あった」と述べていた。(キーウ=藤原学思)