イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザで、エジプトとの境界にある南部ラファ検問所からの支援物資搬入が戦闘の影響で中断されたことから、エジプト側に滞留する支援物資の食料の腐敗が進んでいると、ロイター通信が24日、報じた。米国とエジプトは同日、南部の別の検問所から物資を運び込むことで一致したが、戦火の中で人々に届くかどうかは不透明だ。

 イスラエル軍は5月上旬、ラファ検問所のガザ側を制圧。イスラエルメディアによると、これに反発したエジプトは、支援物資をガザに運び込むためのイスラエル側との調整を拒んだとされる。

 ロイター通信によると、ラファ検問所では約3週間にわたり支援物資の搬入が中断されてエジプト側からの支援物資が滞留し、リンゴやバナナ、卵、鶏肉などが腐っているという。支援物資が届かない中、ガザ内部では飢餓が悪化する恐れが指摘されている。

 こうした状況を受け、米国のバイデン大統領は24日、エジプトのシーシ大統領と電話協議。米政府の発表によると、シーシ氏は、イスラエルとガザ南部の境界にあるケレムシャローム検問所を通じた国連の人道支援物資の搬入を約束したという。