◆ 開幕から抜群の安定感

 18試合・16回1/3を投げ、0勝0敗7ホールド、3セーブ、自責点0、防御率0.00。

 ロッテの鈴木昭汰は今季15試合目の登板となった5月15日のオリックス戦で今季初失点を喫したが、開幕から18試合自責点は「0」だ。

 25日のソフトバンク戦は2−0の9回、セーブシチュエーションの場面での登板。先頭の代打・中村晃にいきなりセンター前に運ばれるも、続く周東佑京を二併殺。2番・今宮健太に四球を与えたが、最後は柳田悠岐をストレートで遊ゴロに仕留め、試合を締めた。

 今季は開幕から強いストレートで打者をねじ伏せる。最近の登板では5月21日の西武戦、5−3の8回無死走者なしで、蛭間拓哉に2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた5球目のインコース144キロストレートが素晴らしかった。

 「どんどん左のインコースに攻めていかないといけないと思いますし、それが僕の強みでもあるので、どんどんこれからもどんなバッターにもやっていこうかなと思います」。


◆ 継続してきたことたが形に

 鈴木は昨年ストレートの強さとインコースをテーマに投げ、自主トレは日本通算236セーブをマークする松井裕樹と行い野球に対する考え方、栄養面などを学んだ。

 “継続”して取り組んできたことが“結果”という形になって、開幕から現れている。「結果がどんどん重ねていくうちに安心感じゃないですけど、自信にはつながっていると思います」。

 開幕直後はビハインドゲームでの登板が多かったが、結果を積み重ねていき、同点の場面で投げるようになり、4月17日の西武戦では今季初めて勝ち試合の9回に投げプロ初セーブをマーク。

 「シンプルに同点は1点も許されないので、(勝ち試合で投げる時と)同じようなプレッシャーはあります。どんどん(登板を)重ねていくうちに学ばせてもらって、しっかりいつも通りという気持ちで投げることができていますね」。

 勝ち試合の7回に登板し1回を無失点に抑えた4月27日の楽天戦以降は、ホールド、セーブが付く場面で登板している。

 「最初はもちろんいつもと違った緊張感があったんですけど、アウト3つ取ることに変わりがないと(松井)裕樹さんも言っていましたし、深追いしすぎずにいつも通りに入ろうとはしていますね」。

 松井と自主トレを行ったが、勝ち試合で投げる上でのアドバイスなどはもらったのだろうかーー。

 「おっしゃっていたのは、勝ち試合だろうが負け試合だろうがバッターがアウト3つ取ることに変わりはないから、そこにベストを尽くすか考えてやっていると言われて、邪念はないんだなと思いましたね」。

 マリーンズのブルペンに欠かせない存在になりつつある。「今までやってきたことに変わりはないし、どんな場面でもしっかりチームに貢献したいと思います」。勝ち試合の7回、8回、9回、ビハインドゲーム、同点の場面であっても、変わらずアウトを取ることだけを考えて投げていく。

取材・文=岩下雄太

※初出時に25日の対戦相手に誤りがございました。大変申し訳ございませんでした。