スーパーGT 第2戦 決勝 4日 富士スピードウェイ

ペン=田村尚之/カメラ=多賀まりお

 シリーズ初開催の3時間レースは、GT500クラスがNDDPの高星明誠(31)/三宅淳詞(25)組(日産Zニスモ)、GT300クラスもJLOC88号車の小暮卓史(43)/元嶋佑弥(33)組(ランボルギーニ・ウラカン)が圧勝した。ともにスタート直後にトップに立つと、2度のピットインも確実にこなし、ライバルの追随を許さなかった。まだ2戦目を終えたばかりだが、両チームともタイトル奪取への強い思いを抱いた。 (観衆=5万3900人)

 絵に描いたような圧勝劇だ。高星が2番グリッドから好スタートを決めてトップに立ったNDDPは、じわじわとリードを広げ、75周で2度目のピット作業を迎える頃には、40秒近い大量リードに。最後を担当した三宅は余裕の走りでゴールへ向かった。

 殊勲の高星は、表彰台の真ん中で晴れやかな笑み。「1コーナーでトップに立てたのが良かった。レースペースはもっと格闘すると思っていたけど、他のクルマの方がつらかったみたい。素直にうれしい」。昨年の第4戦以来となる通算4勝目をかみしめた。

 NDDPは今季からタイヤをブリヂストンに変更したが、オフシーズンのテストが雨にたたられることが多く、レースを想定したロングランが満足にできなかったという。高星は「開幕戦が初めてのロングランのような状況だった。今回もタイヤのマネジメントには苦労した」と、タイヤ選びに試行錯誤しながら戦っていたことを明かした。

 三宅はうれしいGT500初勝利だ。「高星さんが大量リードを築いてくれたので(追い抜く周回遅れの)GT300車両との接触や、(追い抜き禁止区間の)イエローを必要以上に意識しないで走れた。(GT500の)2戦目で優勝できたことには驚いている」。昨季は所属していたGT300チームが活動を停止し、シーズン途中でシートを失う大ピンチ。その時には予想もしていなかった環境の変化を感慨深げに振り返った。

 NDDPの2人は、ランキングも首位と4ポイント差の2位に急浮上。高星はまだ今季2戦目ながら、昨年あと一歩で取り逃がしたタイトルへの強い意欲を見せる。「上位争いに加われる感触は持てたが、個人的には、もっとクルマのバランスを良くしていかなければと思っている。まだ昨年のパフォーマンスに届いていない」。終盤2戦で大逆転を許した昨年の悔しさを晴らすのが目標。まだ心の底からは笑えない。精進あるのみだ。