春色をまとった馬瀬の里で渓流の女王が舞った。3日、岐阜県下呂市の馬瀬川で「第23回馬瀬川あまご釣り大会」(南飛騨馬瀬川観光協会主催、馬瀬川上流漁協など共催、中日スポーツなど後援)が開かれ209人が参加、30センチ級の大物が次々と上がった。一般の部では愛知県春日井市の佐藤直毅さん(56)が、唯一釣り上げた魚が32・4センチで初V。子供の部では京都府舞鶴市の二村湊大君(6)が30センチで優勝し、兄の陽大君(10)も4位に入り、兄弟入賞を成し遂げた。 (東條敏明)

 真っ青な空に新緑が伸び、清れつな川面に映る絶景のロケーションのなか、大会は午前8時半からスタートした。気温13度、水温12度。水位マイナス10センチ。大会用にアマゴの成魚500キロが早朝に放たれた。条件は良好だったが、食いは渋かった。一般165人、子供44人のほか、サポーターの家族などを含めると300人近い人が川岸を埋め尽くした。

 佐藤さんは豊年橋下流右岸20メートルに入った。6・1メートルの竿、道糸ナイロン0・6号、ハリス0・4号50センチ、アマゴ針7号、ガン玉B1個の仕掛けにブドウ虫の餌で流すもなかなかヒットせず。30分後に掛けたのが優勝魚だった。この後はバラシがあっただけで、2時間の釣果は1匹だった。

 「自己記録更新の魚。いい引きをしてくれた。馬瀬川はきれいで気持ちいい。まぐれで勝ってもうれしいね」とにっこり。大会は2回目で、以前、福井県敦賀市の笙の川で釣っている時、クマに出くわした経験があるという。

 1〜5位は6ミリ差の中にひしめいた同寸の激戦となった。パーマークに朱点が美しい幅広の魚体が多かったが、数はあまりでなかった。いい人で2ケタ程度だった。ベテラン勢も「なぜかな?」と首をかしげていた。

子供の部

二村兄弟快挙1&4位入賞

 子供の部では二村兄弟が快挙を成し遂げた。岐阜県高山市が実家だが、父親の仕事の関係で舞鶴市に住む。大会は父親と3人で参加した。弟の湊大君が尺を仕留め、「やったね。ママにLINEで報告する」と元気いっぱいだった。陽大君も27・8センチを上げ、まんざらでもない笑顔を見せた。

 祖父と父親と親子三代で来ていた長くつ姿の岐阜県郡上市の小池柊賀君(6)は、祖父のアシストで28・8センチを仕留めた。釣りの最中には「おじいちゃんあそこで魚が跳ねたよ。竿はそっち」と指示するほど熱心だった。釣った魚は「刺し身で食べる。楽しい」とご機嫌だった。5位に入った加藤煌大君(13)は昨年の優勝者。さすがの実力を見せた。

 主な成績は次の通り(同寸は審査受け付け順)。

 一般の部(1)32・4センチ佐藤直毅(愛知県春日井市)(2)32センチ渡辺和美(岐阜県土岐市)(3)31・8センチ今井武彦(浜松市)(4)同、中島大輔(土岐市)(5)同、佐藤禮二(岐阜県恵那市)▽子供の部(1)30センチ二村湊大(京都府舞鶴市)(2)29・7センチ辻花心(岐阜県関市)(3)28・8センチ小池柊賀(岐阜県郡上市)(4)27・8センチ二村陽大(舞鶴市)(5)27・5センチ加藤煌大(岐阜県瑞浪市)