◇15日 中日0―1阪神(バンテリンドームナゴヤ)=延長11回

 孤軍奮闘の熱投も実らなかった。味方の援護がない中、スコアボードに淡々と「0」を並べ続けた中日・小笠原。9回途中まで4安打無失点、5奪三振。97球の快投も、白星が手に入らなければ「(今季は)まだ1勝。チームのプラスになっていないわけですから、申し訳ない気持ちもあります」と言葉は弾まない。 ここ3試合連続で失点を喫していた初回を無失点で切り抜けると、「初回から悪くはなかった。そのまま何も変えずにいける」と確信。5回からは4イニング連続で三者凡退に抑え、8回まで得点圏に走者を背負ったのは2回のみ。阪神打線に付け入る隙を与えなかった。

 0―0のまま9回も続投。先頭の中野に右翼線へ二塁打を浴びたところで大塚コーチがマウンドへ。交代を告げられ、絶対守護神・マルティネスに後を託してベンチから戦況を見守った。

 左腕がマウンドに立つ間にもらった援護点は4月9日のDeNA戦(横浜)の3回までさかのぼる。これで登板5試合連続、38イニング連続で味方の得点はなし。援護に見放される中でも「勝てればいいなと思って投げているのですが。自分は自分の仕事をするだけなので」と多くは語らない。

 商売道具どころか「自分の体の一部」というグラブへの愛着は強い。本拠地での登板前日には自宅で試合用のグラブを磨くのがルーティン。ブラシで汚れを落としてから専用の布巾で丁寧に拭き上げ、仕上げに捕球面と外革で使い分けるワックスを素手で塗り込む。「やっぱり使っていると愛着がわくんですよね」と遠征に向かう時にも手持ちのバッグに入れ、肌身離さず持ち歩く。