スーパー耐久 第2戦 富士24時間レース 予選 24日

富士スピードウェイ(静岡県) ペン=田村尚之 カメラ=多賀まりお

 シリーズの名物、トヨタ自動車が開発を進める水素燃焼エンジンを搭載する、ルーキーレーシングのGRカローラH2。挑戦4年目を迎え、液体水素を搭載するタンク容量が1・5倍に進化。航続距離が飛躍的に伸びる見込みで、レースを戦える環境が整ってきた。

 監督も兼務する石浦宏明は「テストで連続して30ラップも走れた。順位を争える決勝が楽しみ」と笑みを浮かべる。レースに挑戦する目的は、脱炭素社会を見据えて選択肢を増やすことだが、ドライバーとしては他車と競える喜びは大きい。

 今季仕様車は、昨年の円すい形から、積載しやすい楕円(だえん)形の液体水素タンクに変更。容量が昨年の10キロから15キロに拡大した。昨年はレース中に2度交換した、液体水素をくみ上げるポンプも作り直し、無交換で乗り切る予定だ。

 今回ドライバーとして急きょチームに加わった日本レースプロモーション(JRP)の近藤真彦会長は「水素と言われなければ分からない。ここまでするのに相当な苦労だと思う」と開発陣をねぎらった。

 モリゾウこと豊田章男トヨタ会長と佐々木雅弘が担当した予選では、全体の44番手で、開発車のSTQクラス最下位。給水素以外のピットインを予定しない本番で、存在感を放つ。