◇26日 大相撲夏場所千秋楽(東京・両国国技館)

 新小結大の里(23)=二所ノ関=が、史上最速となる初土俵から7場所目での初優勝を果たした。本割で関脇阿炎を破り12勝3敗で賜杯をつかんだ。

 新三役の優勝は1957年夏場所の小結安念山以来、67年ぶり。幕下付け出しでは、同じ石川県出身の元横綱輪島の初土俵から15場所目を上回るスピード初優勝。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)と、現役では5組目となる師弟Vとなった。

 入幕から2場所連続で11勝を挙げて新三役の座をつかんだ大の里は、初日に横綱照ノ富士を2度目の対戦で初撃破。勢いに乗ると中盤戦では霧島、琴桜と大関戦2連勝。11日目に豊昇龍に敗れて横綱、大関戦4連勝はならなかったが、連敗はせず場所の主役の座を譲らなかった。先場所の尊富士に続くちょんまげV。大関取りの土台も築き、世代交代の担い手の先頭を突っ走る。

 ▼大の里泰輝(おおのさと・だいき) 本名は中村泰輝。2000年6月7日生まれ、石川県津幡町出身の23歳。津幡小1年で「津幡町少年相撲教室」で相撲を始めた。1学年下の十両欧勝海は幼なじみ。中1から新潟へ相撲留学し、糸魚川市能生中、海洋高(同市)を経て日体大でアマチュア13冠の実績を残し、二所ノ関部屋に入門した。しこ名は昭和初期に活躍して「相撲の神様」の異名を取った元大関大ノ里にちなんでいる。昨年夏場所で幕下15枚目付け出しで初土俵。同年秋場所で新十両。今年初場所で新入幕。三賞は殊勲賞1回、技能賞2回、敢闘賞2回。得意は突き、押し、右四つ、寄り。192センチ、181キロ。

 ◆現役力士の師弟V一覧(番付順)

 照ノ富士―伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)

 霧島―前・陸奥親方(元大関霧島)

 朝乃山―前・高砂親方(元大関朝潮)

 大の里―二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)

 尊富士―伊勢ケ浜親方