将棋の藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠=に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期名人戦7番勝負第5局は27日、北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで2日目の対局が行われ、先手の藤井名人が99手で豊島九段を破り、4勝1敗で初防衛に成功した。

 藤井名人はタイトル戦初挑戦から22戦連続制覇と自身の持つ最長記録を伸ばした。また藤井名人は伊藤匠七段(21)を挑戦者に迎え1勝2敗とかど番となっている第8期叡王戦5番勝負第4局を31日に控えている。

 1日目には豊島九段が16手目に8筋の飛を4筋に動かす、シリーズ初の振り飛車を採用。第4局で初勝利を挙げた豊島九段が勝負手で逆襲に挑んだ。藤井名人も35手目に、玉を1段上がった9筋の香車の下に潜り込み、穴熊を金銀4枚で囲う最強の堅陣に構え、2日目に入って藤井名人が2枚角、豊島九段が2枚飛車と戦力を整えながら本格的な勝負に突入。豊島九段も必死の防御で耐えようとしたが藤井名人の攻めが上回った。

 両者は38局対戦し、藤井名人の26勝12敗。タイトル戦では5度目の顔合わせで藤井名人が番勝負5連勝。叡王、竜王を獲得、王位を2度、名人を1度防衛した。