「体操・NHK杯」(17日、高崎アリーナ)

 パリ五輪代表最終選考会を兼ね、4月の全日本選手権の得点を持ち点に、男子の個人総合1回目が行われた。34歳の田中佑典(田中ク)が3日間合計255・128点で3位に浮上し、2大会ぶり五輪出場へ前進した。岡慎之助(徳洲会)が合計258・196点で首位。萱和磨(セントラルスポーツ)が2位につけた。五輪に内定済みの橋本大輝(セントラルスポーツ)は右手中指の突き指で棄権。19日に2回目を実施し、今大会の上位2人とチーム貢献度2人の計4人が代表に決まる。

 ベテランが偉業に挑んでいる。スタート時点で5番手だった田中は、得意の平行棒で全体2位の15・100点、鉄棒で全体4位の14・666点の好演技。点数を伸ばして3位に浮上した。34歳は「誰も予想してなかったんじゃないでしょうか」と笑ってみせた。残り4枠の五輪代表争いでも大きく前進。水鳥寿思強化本部長も貢献度枠の選出について「可能性がある」と前向きに話した。

 最年長として挑む今大会。竹本正男さんが40歳で1960年ローマ五輪出場した例はあるが、34歳の五輪出場は、近年では異例の快挙になる。それでも「今がピーク」と軽々と言ってのけた。

 16年リオ五輪では内村さんと一緒に団体金メダルを獲得。「五輪金メダル(獲得)へと、五輪に行く確率を上げる生活をしてきた。確率が上がっていってるとかみしめています」。再び、夢舞台へ。19日の最終決戦に臨む。