「阪神0−1巨人」(24日、甲子園球場)

 阪神は巨人・戸郷にノーヒットノーランに抑えられた。デイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(42)は、快投の要因が「フォークの落ち」「岸田捕手の配球」などにあったと分析。阪神打線としては「逆に切り替えやすい」との考えも示した。

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 ノーヒットノーランを達成した戸郷投手にアッパレです!初回から真っすぐとフォークのコンビネーションが素晴らしく、スライダーのコントロールも良かった。阪神からすると逆に切り替えやすい、というか、もう終わったことなので、切り替えるしかありません。

 1点を追う九回は見応えがありました。先頭の木浪選手がファウルで粘って四球で出塁。代打の小幡選手はプレッシャーのかかる場面でバントをよく決めました。1死二塁で近本選手。これ以上ない打者を迎えました。力むなという方が難しい場面で一直は惜しかったですね。最後の中野選手もめったに三振をしない打者ですから。フォークで空振りを奪った相手を褒めるしかありません。

 戸郷投手の投球を振り返ると、やっぱりフォークの落ちが良かったですね。真っすぐも左打者の内角に投げられていましたし、途中から外角スライダーもコースに決まっていました。岸田捕手の配球も見逃せません。今年初めてバッテリーを組んだそうですが、テンポもいいし、信頼しているのが伝わってきました。

 今季初先発の及川投手はナイスピッチングでした。五回、泉口選手に決勝打を許した場面は追い込んでから直球が甘く入ってしまいました。直前のオコエ選手の盗塁も効きましたね。アクシデントでの降板は及川投手本人が一番悔しいでしょう。

 中継ぎ陣もよく踏ん張りました。緊急登板となった漆原投手、ピンチをしのいだ富田投手の球も魂がこもっていました。糸原選手をはじめ、守備も良かった。最近はピッチャーに助けられる試合が続いています。ノーヒットノーランを許しても一敗は一敗です。終わったことは仕方ないので、2戦目以降、野手陣の奮起に期待しましょう!