八戸市柏崎1丁目の八戸クリニック街かどミュージアムで、春期展「近代美人木版画展―浮世絵を越えて―」が開かれている。江戸後期から明治、大正、昭和初期にかけて制作された、女性の姿を描いた木版画102点を展示。作品を通して、当時のファッションの流行や世相を感じ取ることができる。6月16日まで。

 会場には、浮世絵の流れをくみ、近代日本画の分野を形成した絵師たちの多彩な作品を展示。水野年方は、当時呉服店だった三越のPR雑誌の挿絵を担当し、その作品からは着物の色や柄など、当時の流行がうかがえる。光りの当たり具合や見る角度によって柄が浮き出るなど、工夫を凝らした作品も多い。

 同館の小倉学館長は「浮世絵とは違う近代美人画を楽しんでほしい」と来場を呼びかける。

 アンティーク着物愛好家の吉田紀苑さん(階上町)が所有する、大正〜昭和初期の着物など約20点も展示。「現代にはないような色合いやデザインの着物を見て身近に感じてほしい」と話していた。

 観覧料は大人500円、高校生以下無料。開館時間は午前10時〜午後5時。月、火曜休館(祝日の場合は開館)。【全文】