見放題の動画サブスクが一般化し、視聴できるコンテンツの数はあまりにも膨大になり、どれを見たらいいのか迷っている人も多いのではないでしょうか?

 今回は、数ある映像コンテンツの中でも、痛快なギャグと爽快感のあるバトルの組み合わせで人気のアニメ『マッシュル-MASHLE-』を紹介します。

●並外れた筋力を「魔法」と言い張り強敵に打ち勝っていく

 『マッシュル-MASHLE-』は、週刊少年ジャンプで連載された、漫画家の甲本一(こうもと はじめ)さんによる漫画作品です。こちらを原作としたTVアニメ版は、第1期が2023年4月8日〜7月1日、第2期「神覚者候補選抜試験編」が2024年1月6日〜3月30日に放送されました。

 ジャンルとしては「ギャグ×バトル」ですので、随所にちりばめられたギャグで大笑いできる一方、ジャンプ作品らしい「友情×努力×勝利」の王道路線から外れない正統派バトル漫画としても大いに楽しめます。

 マッシュルの世界は、魔法の能力によって身分が決まってしまう魔法世界。主人公のマッシュ・バーンデッドは、魔法の使えない少年ですが、凄腕の魔法使いをいともたやすく返り討ちにするほどの「筋力」を武器に、仲間たちと困難に立ち向かっていきます。

 「ハムストリングス魔法」や「トライセップ魔法」など、筋肉の響きしかしない独特な「魔法(物理)」で勝利をつかみとっていくマッシュの姿は痛快そのもので、誰でも楽しめる作品となっています。マッシュの唱える「魔法(物理)」の呪文(?)がどういう意味なのか調べてみるのも面白いですよ。

●養父と静かに? 暮らしていたマッシュの生活が大きく動きだす 第1話「マッシュ・バーンデッドと鍛えぬかれた筋肉」

 コメディ要素の強い『マッシュル-MASHLE-』ですが、ギャグを理解するうえでも、キャラクターの個性やストーリーの流れを知っておくことも重要になってきます。そのため、第1話から順番に見ることをおすすめします。

 第1話は、魔法が身分を左右する世界「魔法界」における、魔法の使えない主人公マッシュ・バーンデッドを取り巻く環境、そして彼の大好物であるシュークリームがきっかけとなり、彼の人生が大きく変化してしまうストーリーです。

 冒頭のマッシュの厳しいトレーニング風景や、マッシュの養父であるレグロ・バーンデッドとのコミカルなやりとりが楽しいのですが、マッシュのすっとんきょうな言動に呆れながらも息子を溺愛するレグロと、レグロを大事に思うマッシュの姿から、物語のキーとなるマッシュの優しさがわかるお話です。

●『ハリー・ポッター』のオマージュシーンも楽しめる 第3話「マッシュ・バーンデッドと怒らせちゃいけない人」

 『マッシュル-MASHLE-』は主に「イーストン魔法学校」を舞台にした物語です。魔法学校と言えば『ハリー・ポッター』がまず頭に浮かぶ人も多いはず。『マッシュル-MASHLE-』は、その『ハリー・ポッター』のオマージュも数多く取り入れられているのも面白いポイントです。

 各話のサブタイトルは「マッシュ・バーンデッドと○○」といったように、ハリー・ポッターシリーズを思い起こさせるものとなっているほか、校長先生がマッシュを特に目にかけてくれている様子や、「クィディッチ」のような魔法競技「ドゥエロ」があったりと、ハリポタ好きであれば、作品の世界観にすんなり入っていけるかもしれません。

 第3話では、イーストン魔法学校に入学したマッシュが、授業でほうきの乗り方を学ぶシーンが登場します。まさに映画「ハリー・ポッターと賢者の石」の飛行訓練のシーンのオマージュとなっていますので、見比べてみるとさらに楽しめるかもしれません。

●神覚者候補選抜試験を前に実家に帰るマッシュ 第14話「マッシュ・バーンデッドと実家」

 鍛え抜かれた肉体を武器に、さまざまな強敵たちに打ち勝っていくマッシュ。アニメ第2期は「神覚者候補選抜試験」への挑戦や黒幕「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」との対峙など、壮絶なバトルが繰り広げられるストーリーです。しかし、神覚者候補選抜試験に挑む前、友達との休日や実家への帰省が描かれるこの第14話では、友情や家族愛にほっこりできます。

 ルームメイトで突っ込み役のフィン、ライバル(?)のランスとドット、マッシュを一方的に慕うヒロインのレモンら仲間たちと町で遊ぶマッシュ。学校に来るまでは友達もいなかったマッシュは、改めて友情のすばらしさをかみしめます。

 そして友達を連れて実家に帰ったマッシュの姿に養父・レグロは……。ギャグとバトルだけではなく、『マッシュル-MASHLE-』は友達と家族の大切さを教えてくれる物語でもあると気づかされる良いお話です。一方、真剣バトルシーンはほとんどなく、『マッシュル-MASHLE-』らしいギャグがさえわたっている点もおすすめポイントです。