27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



・日経平均は小幅反発、米市場休場で参加者少なく値幅はわずか135円ほど

・ドル・円は上げ渋り

・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はアドバンテスト<6857>



■日経平均は小幅反発、米市場休場で参加者少なく値幅はわずか135円ほど



日経平均は小幅反発。前営業日比112.85円高(+0.29%)の38758.96円(出来高概算6億9000万株)で前場の取引を終えている。



24日の米国株式市場は反発。ダウ平均は4.33ドル高(+0.01%)の39069.59ドル、ナスダックは184.77ポイント高(+1.10%)の16920.80、S&P500は36.88ポイント高(+0.70%)の5304.72で取引を終了した。人工知能(AI)ブームを背景としたハイテクセクターの買いが根強く相場を支援し寄り付き後、上昇。耐久財受注や消費者信頼感指数が良好だったほか、期待インフレ率が予想を下回り長期金利が低下に転じたため、一段高となった。3連休を控え参加者が限られダウの上値は限定的となったが、ナスダックは半導体エヌビディア株主導で、終盤にかけて上げ幅を拡大し、過去最高値を更新。



米国株の反発を受けて、東京市場はやや買い優勢で取引を開始した。日経平均は、先週末の大幅安に対する反動もあり反発スタートとなったが、今晩の米国市場が休場のため、積極的な売買は手控えられた。前場の上下の値幅はわずか135円ほどに留まり、プライム市場の売買代金は1.7兆円台と商い閑散となった。



日経平均採用銘柄では、ソシオネクスト<6526>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、スクリーンHD<7735>、アドバンテスト<6857>など半導体株の一角が買われたほか、川崎重<7012>、古河電工<5801>、日本製鋼所<5631>、富士電機<6504>が買われた。また、静岡県知事選挙でリニア中央新幹線推進派の鈴木氏が当選したことで、JR東海<9022>もしっかり。



一方、証券会社レポートがややネガティブ視されてサイバー<4751>が売り優勢となったほか、ネクソン<3659>、ラインヤフー<4689>、コナミグループ<9766>がさえない。また、HOYA<7741>、ヤマハ<7951>、ソニーグループ<6758>も売られた。



業種別では、海運業、電気・ガス業、保険業、非鉄金属、証券・商品先物取引業などが上昇した一方、精密機器、水産・農林業、倉庫・運輸関連業、空運業、サービス業などが下落した。



為替は1ドル156円80銭前後と朝方比ではやや円高に振れているが、株式市場への影響は限定的。債券市場も小動き推移となっており、株式、為替、債券いずれの市場も米国市場休場を控え、参加者限定的の地合いとなっている。後場は前場以上に様子見ムードが強まり、商いは減少しそうだ。日経平均は前営業日比でプラス圏を維持していたが、買いが乏しいことから後場はマイナス圏に入る可能性もある。



■ドル・円は上げ渋り



27日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。157円02銭から一時156円68銭まで下落したが、為替介入がただちに実施される状況ではないとの見方は多いため、ドルは156円台後半で推移している。



ここまでの取引レンジは156円68銭−157円02銭、ユーロ・ドルはもみ合い。1.0844ドルから1.0856ドルで推移。ユーロ・円は弱含み。170円35銭から169円99銭まで値下がり。



■後場のチェック銘柄



・エーアイ<4388>、トラース・オン・プロダクト<6696>など、6銘柄がストップ高



※一時ストップ高(気配値)を含みます



・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はアドバンテスト<6857>



■経済指標・要人発言



【経済指標】



・中国・4月工業利益:年初来前年比+4.3%(3月:+4.3%)



【要人発言】



・日本銀行内田副総裁

「日銀は10年間にわたり経済に高圧をかけ、スラックはなくなった」

「この先も賃金は上昇していくとみている」



<国内>

・14:00 3月景気動向指数・先行改定値(速報値:111.4)



<海外>

・米国休場(メモリアルデー)