3年目のWEリーグが終了、髙田春奈チェアが今季を総括

 WEリーグの髙田春奈チェアは5月25日のリーグ最終節、三菱重工浦和レッズレディースと日テレ・東京ベレーザが行われた浦和駒場スタジアムに足を運び、優勝を決めた浦和のセレモニーでプレゼンターを務めた。そして、3年目のWEリーグについて各クラブの取り組みに手応えを得たなかで、経営面が課題とも話した。

 浦和は2試合を残して連覇を決め、最終戦では点の取り合いの末に3-3の引き分けに終わった。2位のINAC神戸レオネッサの試合結果により浦和は試合がないタイミングで優勝が決まり、その後のホームゲームが最終節のみだったこともあり、この試合後に優勝セレモニーとなった。

 優勝トロフィーを授与した髙田チェアは、その後に取材対応して「まず、無事に終わって良かった」とシーズンを振り返り、「シーズンが始まった時と終わりに向け、変化があった。どのクラブもたくさんのお客さんに来て欲しいと力を入れるなか、最後はサンフレッチェ広島レジーナやセレッソ大阪ヤンマーレディースが頑張っていて、クラブごとの動きがシーズンの中であった1年だった。最終順位でも切磋琢磨されていて、変わってきたところもある。変化の多い1年だったと思う」と総括した。

 そして、3年目を終えたリーグについて「最も大きいのは競技力が上がっていること。ちふれASエルフェンさいたまも最下位だったところから上位に行けそうなところまで来ている。全体的な底上げは確実にあると思っているし、プロ化の目的の1つだったと思う。ただ、海外の変化がそれ以上に大きいこともあり、それに対する良い意味での危機感、このままでいけない、変わっていかなくてはいけないという危機感も持っている」と話し、特に中位ゾーンに近いクラブの実力が拮抗してきている点に触れた。

 一方で、リーグの優勝賞金が2000万円だった点について質問された髙田チェアは「私も見ながら、もっと夢のある額にしたいとすごく感じた」と話す。例を挙げるとJ1の優勝は3億円で、J2の優勝が2000万円。賞金以上に次のシーズンにJ1へ昇格できることが最大の褒章である側面のあるJ2と同等額になっているのが現実だ。それだけに「ただ、全体の原資があるので制定しないといけないところでもある。もっと上げられるようにということで、経営面を高めていきたい」と話した。

 来季からAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の女子大会がスタートするなど変化も訪れるシーズンになるが、ピッチ上の進化に手応えがある一方で集客をメインとするマーケティングの部分では課題も多い。髙田チェアの手腕と同時に、今夏のパリ五輪におけるなでしこジャパンの活躍などさまざまな形で女子サッカーの魅力をアピールすることが期待される。

FOOTBALL ZONE編集部