UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)準決勝2ndレグ、レアル・マドリード対バイエルン・ミュンヘンの試合が現地時間8日に行われ、バイエルンが1-2の敗戦を喫した。この試合で物議を醸すノーゴール判定があり、英メディア『スポーティングニュース』が分析している。

 バイエルンを率いるトーマス・トゥヘル監督は、ハリー・ケインやセルジュ・ニャブリ、レロイ・サネなどを先発起用。68分には、ケインからパスを受けたアルフォンソ・デイヴィスが右足でゴールを決めてバイエルンに先制点が入る。しかし、88分にレアルのホセルに同点ゴールを決められた。そして、後半アディショナルタイムに入ると、アントニオ・リュディガーのアシストから再びホセルがゴールネットを揺らす。一度はオフサイド判定が下されたが、最終的にゴールが認められ、レアルが逆転に成功。反対にバイエルンもゴールネットを揺らす場面があったが、こちらはVARも介入せず、劇的な同点ゴールは認められなかった。

 同メディアによると、問題はオフサイドだったか、オンサイドだったか、という点ではないという。同メディアは「実際、この出来事はVARによって検証されることさえなかった。主審はプレーが終わる前に笛を吹いたため、シュートが起こる前にプレーを止めたことになり、VARで見直すことはできない。そのため、レアルのGKアンドリー・ルニンは、マタイス・デ・リフトがボールをゴールネットに突き刺した時、笛に反応したため立ち止まっていたのだ」と報じ、主審が笛を吹いた時点で、その後のプレーは検証できなくなったと伝えている。

 しかし、現行のルールではオフサイドディレイというものがある。同メディアは「したがって、このプレーはVARで確認することはできなかった。VARが導入されて以来、副審は判定が間違っていた場合に、間違った判定で有望な攻撃を阻止することがないように、プレーを続行できるように、旗を数秒長く下げておくように指示されている。しかし、副審も主審もこの指示を気に留めなかった。その代わり、副審はすぐに旗を上げ、主審はそれに応じて笛を吹き、プレーを早期に終わらせた。審判が早期にプレーを止めなければ、この判定は通常レビュー可能であったが、審判がプレーを止めたためレビューすることはできなかった」と分析している。