●ウニオン・ベルリン(ドイツ)

 今シーズンはレヴァークーゼンやインテル、レアル・マドリードなど各国リーグで独走優勝が目立っている。裏を返せば、他のチームが期待外れだったことからこのようなケースが多発しているとも言える。今回は、様々な要因で期待外れに終わってしまったチームを紹介する(成績は5月15日時点)。
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順位:16位
今季成績:8勝6分19敗(勝ち点30)

 今季のウニオン・ベルリンは “天国から地獄”のようなシーズンを送っている。昨季ウルス・フィッシャー監督のもとで1部昇格から4年でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得すると、シーズンオフには大型補強を敢行。クラブ史上初めて世界最高峰の舞台を戦う準備が整った。

 ブンデスリーガ開幕2連勝で首位に立ったことで優勝争いも期待されたが、そこから怒涛の公式戦12連敗という前代未聞の大失速を余儀なくされる。あっという間にリーグ最下位へと転落すると、連敗中にフィッシャー監督は解任され、ネナード・ビェリツァが新監督に就任した。

 ところが新指揮官となってからも復調は見られず、12月におよそ4ヶ月ぶりの勝利を飾ったが、完全に昨季のような調子を取り戻すことはなかった。そしてビェリツァ監督も3月からの6戦未勝利で解任され、現在はユースを率いていたマルコ・グロートがトップチームの指揮を執っている。しかし、勝てば残留が大きく近づく就任初戦の17位ケルン戦に敗れたことから、最終節にウニオン・ベルリンがフライブルクに敗れ、ケルンがハイデンハイムに勝つ展開になると自動降格となる可能性もある。

 なぜ今シーズンUEFAチャンピオンズリーグ(CL)に出場したようなチームがここまで苦しんだのか。それはチームとしての精神的な弱さだろう。一度失点をしてしまうと、そこから消極的になり立て続けにゴールを許してしまう。また接戦にも弱く、1点差以内での敗戦が全公式戦で11試合もある。その中にはレアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘン、レヴァークーゼンなどの強豪も含まれており、選手たちの能力があるのは間違いない。ただ、それだけでは勝てないのがフットボールであり、今季のウニオン・ベルリンはチームとしてのまとまりの無さが与える悪影響を表している。

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