今年3月に筑波大学社会人大学院を無事の修了し、”女子大生”という肩書がなくなった週刊ゴルフダイジェスト編集部Y。「ゴルフとリハビリテーション」を勉強した大学院時代の2年間で築いたネットワークで、今週は障害者ゴルフの世界大会が実施されるイギリスに向かった。現地からのレポートをお届けする。

5月15日〜17日で障害者ゴルフの世界大会がイギリスで開催!

読者のみなさん1カ月ぶりの執筆になります。いかがお過ごしですか? 私はいまイギリスにおります。THE G4D OPENのためです。the golf for disabled open――障害者ゴルフの世界大会で、5月15日〜17日まで、19カ国、80名のトップ選手が集まって開催されます。

R&AとDPワールドツアーの共催で、EDGA(ヨーロッパ障害者ゴルフ協会)がサポートしている本大会は今年で2回目。今回は4人の日本人選手が出場します。開催コースはイギリスのウォーバーンGC。2019年のAIG全英女子オープンで渋野日向子が優勝、世界に“しぶこスマイル”を知らしめた場所です。クラブハウスのいたるところに、しぶこの痕跡が……。

メディアルームとして使われているのは「ポールタールーム」と名付けられた部屋。中に入るとイアン・ポールターだらけ。ポールターはジュニアゴルフに非常に協力的で、2006年から2015年にかけてウォーバーンでIJPジュニア・インビテーショナルを開催したなどの功績で作られたようです。クラブハウス内は、カフェ、バーなど、イギリスらしさが漂う落ち着いた空間です。

コースの第一印象は、日本っぽいコースだなあということ。皆さんも「ラウンドしたい! いいスコアが出そうだな」と思うはず。いやしかし、そこはイギリス。雨のち曇り、晴れ間が出たり風が吹いたり、くるくる変わるお天気も油断ならないのです。

さて、日本選手たちに試合に向けての意気込みを聞きましょう!

昨年のチャンピオン、ブレンダン・ローラー(低身長症)と同組の300ヤード超えの飛ばし屋プロ、吉田隼人(40歳、右大腿切断)は、「距離はないけどタイトなコース。フェアウェイは硬いから転がるし、ドライバーを使うホールは限られます。曲げると林の中に行ったり落ち葉に埋まってロストボールになる可能性がある。それはもったいない。グリーンは見た目以上に芝目も傾斜も強く要注意。目標は優勝です。チャンピオンには絶対負けたくないのですが、力を入れすぎないようにしたいと思います」。

昨年の日本障害者オープン覇者の日本初障害者プロ、小山田雅人(56歳、右前腕下切断)は「狭い印象のコース。地元の西那須野CCやホウライCCにレイアウトが似ている感じなので馴染みがあるはずなんですけど、練習では右にしか行かない(笑)。でもドライバーさえきちんと当たればスコアは崩れないはず。順位ではなく、パープレーが目標です。練ランでは、いかにボギーを打たないかのマネジメントを考えていました」。

今回の参加者では最年長、いぶし銀のプレーが持ち味の小林茂(68歳、下肢障害)は、「ドライバーさえフェアウェイにいけば、まあまあいけるんじゃないかな。グリーンの芝目もわかってきたので、10位以内目指していきたいですね」。

そして、12年ぶりに海外の試合に参戦する国際大会に強いメンタルの持ち主、秋山卓哉(48歳、左大腿切断)は、「久しぶりの国際大会の雰囲気はやっぱりいいですね。日本っぽい林間コースで、距離もなく狭いので正確性が求められます。洋芝でベタつくので、特にグリーン周りのアプローチはこちらに来てたくさん練習しました。世界のトップ選手が集まっているので、自分がどこまで付いていけるか、3日間頑張りたいです」。

4人の活躍ぶりは、またご報告していきます!

「50代の女子大生が学ぶゴルフとリハビリテーション」のバックナンバーはこちら

[リハビリ×ゴルフから学んだ“つなぐこと”。思索の果てに見えたものとは? 【50代の女子大生が学ぶゴルフとリハビリテーション・最終回】 - みんなのゴルフダイジェスト]

[ゴルフの「障害者スポーツ」としての認知度自体がまだまだ低いと実感【50代の女子大生が学ぶゴルフとリハビリテーション】 - みんなのゴルフダイジェスト]

[50代の女子大生が学ぶゴルフとリハビリテーション。スポーツと法律、そして「共生社会」が進むために - みんなのゴルフダイジェスト]

[もっと続きが読みたい方はこちら]