ワイパーモーター 脱着時にスピーカーがボロボロになっていたのを発見。どうやら音のビビリはエッジが切れていて、コーン紙が傾いてボイスコイルが当たっていると判断。普通なら高性能なものに交換したいが、ラジオを聴いている限り、この音の明瞭度はスピーカーにあると判断して修復を試みた。30年も前の劣悪環境で使われたスピーカーは復活できるか!
■ Photo&Text Masahiro Kan
スピーカーの特性と箱
家庭で使用するオーディオのスピーカーは間違いなく箱に入っている。
実はここにスピーカーの秘密がある。図はスピーカーの老舗フォステクスカンパニーからいただいた。
どんなに高級ユニットでもスピーカー単体で鳴らしてみると、なんとも情けない音しか出てこない。
仮に同じ口径だとしたら、千円のものと、ウン万円のものでも大差なく情けない音だ。
これはコーン紙が前後してどちらからも同じ音が出ているからで、特に低域は指向性がないのでオモテから出た音と、ウラから出た音が打ち消しあってしまうからなのだ。
コーン紙が前に出れば前面の空気を押し、裏側は空気が引っ張られる。これが同じ音だからたちが悪い。
出た空気がスピーカー脇で裏側から吸われるので、音は消えてしまうことになる。
ということは裏側からの音を遮断すればいいことになる。これが箱(エンクロージャー)の役割なのだ。
図を見てもらえれば理解できると思うが、クルマはどうなっているかというと、後面開放スタイル。
ドアマウントを密閉と解釈もできなくはないが、密閉は完全に空気を遮断して成立するので、無理がある。
KV3は後面開放というより平面バッフルタイプ。小面積だから低音の回り込みは必至だし、ユニットを交換しても高性能化はかなり難しいタイプなのだ。
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著者:内外出版/オートメカニック