『レック Presents BEST OF THE SUPER Jr.31』東京・後楽園ホール(2024年5月13日)
Aブロック公式戦 ○エル・デスペラードvs藤田晃生×

 藤田の奮闘に後楽園ホールが沸騰したものの、最後はデスペラードが執念のヌメロ・ドスでギブアップ勝ちをもぎ取り、スーパージュニア1勝目を挙げた。

 悲願の初優勝を狙って今年のスーパージュニアに臨んだデスペラードだったが、開幕戦のメインでティタンに敗戦。前回の準決勝で敗れた相手に雪辱できず、黒星発進となった。2戦目の相手は進境著しい藤田。デスペラードは初戦で金丸義信を下して勢いに乗る新鋭をセミファイナルで迎え撃った。

 試合はゴング直後からグラウンド戦に。激しい関節技合戦で火花を散らす。互いにアキレス腱固めに捕らえると、そのまま場外に転落するが、なおも絞め合った。場外カウント18で揃ってリングに滑り込む。

 エルボー合戦、逆水平合戦を繰り広げると、デスペラードが場外に転落。藤田はエプロンからランニングローキックを放つ。これをキャッチしたデスペラードはそのまま場外で宙吊り式ヌメロドスで絞めに絞めた。そして、藤田をリングに押し入れたものの、すぐさま動いた藤田はプランチャで反攻する。

 しかし、今度は藤田がリングに戻ろうとした時に、デスペラードが低空ドロップキックで奇襲し、左足への一点集中攻撃へ。各種関節技でしつこく拷問。踏みつけるなど原始的な攻撃でも痛めつけた。藤田もニールキックやスワンダイブ式ミサイルキックで立て直したものの、デスペラードはスパインバスターで黙らせると、ヌメロ・ドスを仕掛ける。

 藤田は逆にリストを固め、裏十字固めに持ち込んで大逆転。そこから変型羽根折り固めに持ち込むと、同時に足まで絡みつき、指導を受けているザック・セイバーJr.ばりに絞め上げるが、デスペラードの足がロープに届いた。場内は「藤田」コールに包まれる。藤田はこん身のスリーパーで絞め上げると、ジャーマンスープレックスへ。カウントの合唱となるが、デスペラードはキックアウトした。

 藤田はAbandon Hopeを仕掛けるも、デスペラードは必死の抵抗。手を掴んだ状態で藤田はエルボーを連打するが、デスペラードは体重を掛けたこん身の一撃でねじ伏せる。粘る藤田はピンチェ・ロコを脇固めで切り返そうとするも、その裏をかいたデスペラードはリング中央でヌメロ・ドスへ。後楽園ホールは「藤田」コールに包まれたものの、デスペラードは足を腕に絡ませる変型型に持ち込み、ギブアップをもぎ取った。

 藤田に手こずりながらも、最後は執念でギブアップを奪ったデスペラードが今スーパージュニア初白星。初優勝に向けて仕切り直しの一戦で勝利した。「藤田、なんだよ。カバン持ちかと思ったら、ちゃんとできんじゃねえかよ。さすがスーパージュニア、ちゃんとエントリーされているだけあるぜ」と藤田を称えたデスペラードは「欲張ってたらな、スーパージュニア落としちまうから、公式戦1個1個大事に戦っていくぜ」と宣言した。

 次戦は5・15上越大会。デスペラードはBUSHI、藤田はケビン・ナイトと対戦する。

【試合後のデスペラード】

▼デスペラード「(※左ヒジを冷やしながら)思った通り、オラ……クソッ! バカ野郎、負け惜しみだ。死ぬなんてことはねぇ。そら事故が起きれば死ぬかもしれんが、俺はプロレスではなるべく死なん。それはいい。藤田、藤田、なんだよ、カバン持ちかと思ったら、ちゃんとできんじゃねえかよ。さすが『SUPER.Jr』、ちゃんとエントリーされているだけあるぜ。なぁ、リザーバーで上がってきている人の方が面白えからさ、温度差があるんだけどな。まあ欲張ってたらな、『SUPER Jr.』落としちまうから、公式戦1個1個大事に闘っていくぜ。次は〜〜誰だっけ? 知ってる?」

──BUSHIです

▼デスペラード「BUSHI、アァ。毎年やってんな。ヒロムとBUSHIとか同じブロックにしたらいいんじゃないかな? アァ…クソッ!」

【藤田の話】「(※床に座り込んで)アー、クソーッ! エル・デスペラード、アンタを倒すためだけに……ヤングライオンの時、高知でやったな。その時から、ずっとだ。テメーをぶっ倒してやろうってその気持ちだけでここまでやってきた。TMDKに誘ってもらって、すぐ、アンタの顔が俺の頭に思い浮かんだんだ。あれから約2年経って、今日、シングルでもこれか。言葉も、出てこない。悔しい。(※立ち上がりながら)『死ぬほど』って言ったら、あの人は怒るだろうな。だから言わねえけど、それぐらい悔しい。アンタをぶっ倒すために、アンタの首を刈り取るためにやってきたんだ。強くなる以外に、道はない」