◇ウエスタン・リーグ ソフトバンク2−0くふうハヤテ(6日・ちゅ〜る)

 くふうハヤテの元DeNA39歳右腕の藤岡好明投手が今季、公式戦初登板を果たした。6回に2番手で登板すると、1回を無失点に抑えた。右肩のコンディション不良から復帰。3月3日の春季教育リーグ・中日戦(0●13)以来の実戦登板を果たした。「(公式戦)初登板にしてはよかった」。模索していた投球フォームでの手応えも口にした。

 最初の打者の正木智也外野手を3球で空振り三振に仕留めた。「(最後の球は)スライダー。結果、三振となったが、意図した球とは違った」と、ベテラン右腕に満足はなかった。続く広瀬隆太内野手には左翼線へ二塁打されたが、後続を三ゴロ、空振り三振に抑えた。64日ぶりの登板。「マウンドに立ったらあんまりそういうことは考えたくなかった。これから自分のピッチングがどう変わっていくのかと思って投げた」と冷静さを貫いた。今後については「リリーフなので勝敗を決めるポジションではないが、とにかく最小失点で抑えていけるのがベスト。自分ができることをやっていけたら」と力を込めた。

 ソフトバンクや日本ハムやDeNAに在籍していた藤岡。セパ3球団で通算15年、337試合、22勝16敗、1セーブ57ホールドを記録した。21年はDeNAで2軍投手コーチを務め、22、23年は独立リーグ・九州アジアリーグの火の国サラマンダースで、投手コーチ兼任で現役復帰。くふうハヤテでは投手に専念している。

 DeNA愛は健在だ。マウンドに上がる際の登場曲はDeNA時代にも流していたウルフルズの「サムライソウル」。ゴールデンウィーク最終日ということもあり、訪れた1126人の観客から拍手も飛んだ。刺激を受ける存在としてDeNAの後輩、カブスの今永昇太投手の名を挙げた。5月3日(日本時間4日)には3、4月のナ・リーグ月間最優秀新人に選ばれた左腕。「よく話しをしていた後輩。刺激になる。どのような球が今のトレンドなのかと思って、投球する様子を(テレビなどで)見ている。いい部分を盗みたい」とニヤリ。今永が初勝利した際にも連絡。「野球に関していいものがあったら教えてよ」とやりとりしたことを明かした。

 「僕の年齢でも向上できるキッカケがあるなら、後輩からどんどん聞きたいなと思っている」と、どん欲に学ぶ姿勢を見せる。開幕前、1月の合同練習には「野球を全力でやる年。野球バカではなく、大バカになる年」と意気込んでいた藤岡。最後は「へへっ」と笑いながら、野球少年のような笑顔を浮かべていた。(伊藤 明日香)