◆大相撲夏場所4日目(15日、東京・両国国技館)

 幕内・宝富士(伊勢ケ浜)が無傷の4連勝。幕内・友風(二所ノ関)の突きをあてがいしのぐと、下がりながらはたき込んだ。「突き放しの強い相手。対応できて良かった」と振り返った。一方で「4日間で一番悪い相撲」と反省した。

 4連勝は自己最多タイと勘違いしており「5連勝したことがあったらしいね」と上機嫌。西前頭3枚目だった17年春場所で5連勝していることを伝えられると「3枚目で?嘘でしょう?」と目を丸くした。

 東前頭16枚目だった初場所で負け越した。「場所休みの1週間は幕内に残ってるかどうか精神的に不安定だった」と明かした。祈りもむなしく、春場所で12年九州場所以来67場所ぶりに十両へ転落が決まり、幕内連続出場が990回で止まった。「仕方ないとも思ったが、戻れなかったりそのまま下に落ちていく可能性もあった」と嫌なことばかりが頭を駆け巡った。

 西十両筆頭だった先場所は千秋楽でなんとか勝ち越し。苦しんで再入幕を果たしたことで「気持ちを吹っ切れた。楽しいとは言えないけれど、プレッシャーなく相撲を取れているのは大きい」。幕内で相撲を取る喜びをかみしめ、自然体で相撲を取れている。

 先月に当面閉鎖が決まった旧宮城野部屋の力士が伊勢ケ浜部屋へ転籍。在籍人数が大幅に増えて稽古量が増えた。「今までは幕下の相手が少なかった。関取衆(十両以上)だと攻められて後手に回るけど、幕下だと自分の力が出せる」。充実した稽古は、37歳にとって大きな力になった。

 先場所は同じ青森出身で弟弟子の尊富士が新入幕で110年ぶりの優勝。青森ではパレードも行われた。「尊富士が休場でいないのは残念だけど、自分が頑張れば見てくれる人はいる。流れをとぎらせない」と気合。2場所連続での青森勢の躍進を約束。故郷へ活躍を誓った。