◆オークス追い切り(15日・美浦トレセン)

 第85回オークス(19日、東京)の追い切りが15日、東西トレセンで行われた。2冠を目指す桜花賞馬のステレンボッシュは、美浦・Wコースで併せ馬。国枝栄調教師(69)は「アパパネ、アーモンドアイと同じくらい順調」と仕上がりに自信を見せた。「考察」ではライバル勢の中から、動きの良さが際立ったミアネーロに注目した。きょう16日に枠順が決定する。

 1強退治はあるのか―。美浦トレセンのスタンドから双眼鏡をのぞき込み探りを入れると、老眼でも分かるくらいはっきりと動きの良さが伝わってきた馬がいた。フラワーCの覇者ミアネーロだ。

 追い切りは先週、初G1勝ちと勢いに乗る津村を背にWコースでパライバトルマリン(4歳オープン)と併せ馬。4馬身追走からスタートし、直線入り口でいったん、前に出てそこから馬体を併せると、鞍上の指示にグンと反応して加速。1ハロンごとにきれいにラップを上げ、6ハロン85秒7(5ハロン68秒0)―10秒9で併入した。ラストの切れ味はまさに「驚速」だった。

 2か月ぶりの実戦とはいえ、先週(6ハロン85秒7―11秒1)に続き、しっかり負荷をかけられたところに状態の良さがうかがえた。林調教師も「みなさんご覧になっていて聞こえたかと思いますが、津村騎手が『行くよー』とうちのスタッフに声かけてくれて、そこからの反応は先週よりも俊敏だったと思います。ためが利いて、いい追い切り、いい反応でした」と納得していた。

体力強化で成長 さらに驚くのは、追い切り前にダートコースをを1周半ダク(速歩=はやあし)で流していること。前日火曜日も、坂路を駆け上がった後、ダートコースを2周半周回したが、未知の東京2400メートルを乗り切るための体力強化を図っていることは明らか。それに馬もへこたれず応えている。それがそのまま成長の証しと言える。

 前走、キャリア3戦目で重賞勝ちし、まだ底を見せない魅力にあふれる。近2年で勝ち馬を出しているドゥラメンテ産駒で、母、祖母ともにG1馬という良血馬が、世代の最高峰の舞台で、素質を開花させるか。重い印を打つだけの条件はそろっている。(松末 守司)